スケカナ&中国杯感想

[スケカナ&中国杯 男子シングル]
技巧派の選手が多かったからかもしれませんが、全体に凝った個性的なプログラムが多かったですね。
中でもやっぱり、独自の世界を作り上げてるのがエマニュエル・サンデュー。
なんともいえないパキパキとした動作が、選曲・風貌とあいまってサンデュー・ワールドを構成してます。
この人はほんと「ダンサーが滑ってる」って感じですね。
サンデューの振付はどっちかっちゅうとブロードウェーミュージカルっぽいですが、
同じ踊れるダンサーでも、ステファン・ランビエールクラシックバレエっぽい。
で、ジェフリー・バトルがこの中では一番従来型のフィギュア選手に近い感じですかね。
バトル君のスピンはほんときれいで惚れ惚れします。
この三人のプログラムは、見てて面白くて大好きです。

このところ男子はステップとスピンが猛烈にレベルアップしてて、
「魅せる」ことが大前提になりつつありますね。
でも、一方でジャンプのレベルは下降気味な気が…無理に4回転跳ばなくても勝てちゃうし。
もちろん、まだ調整段階ってことはあるんでしょうけど、あんだけバタバタと失敗されちゃうとなあ~。
やっぱ「跳べて踊れる」プルシェンコは偉大なのだなあとしみじみ。
早くプルたんの演技が見たいよう。

それにしても、本田君はほんとにカッコよくなりましたねえ…(涙)。
単に容姿のことを言っているのではなくて、何というか、決して調子が万全じゃなくても、
観客を引き込めるだけの雰囲気が醸し出せるようになった、ってことです。
この風格が出せる人はなかなかいませんよ~。
NHK杯が楽しみだなあ。

織田君は、失敗したスケカナのSPはともかく、フリーの座頭市はなかなかよかったし、
独特の振付も悪くないと思うのですが…
でもこれ、あんまりやりすぎると、李成江と同じで、ある一定以上の順位に上れなくなってしまう気が。
どっかで演技の方向性は変えていったほうがいいように思います。

中国杯 女子シングル]
上位三人のレベルがとにかく高かったです。眼福…。
荒川さんは、調整途上とはいえ、スピンとスパイラルはさすがの出来でした。
ジャンプもなんだかんだで転倒はないなと安心して見てられますし。
絶好調の時の荒川さんは、スパイラルがほんとにきれいなので、
(スパイラル一発で観客がわく選手はそういない)
五輪ではぜひぜひそこまでもってって欲しいです。
スピンは、全体にまだ回転が遅い感じ。特にビールマンはまだこれからですねー。
とはいえ、それだけこれから積み上げが期待できるわけで、特にフリーの演技は、これからが楽しみな構成でした。
この人はリンク上では相変わらずの笑わん姫ですが、最近思うに、この人はまあこれでいいのかなーと。
張り詰めた緊張感のある演技が一つの持ち味ですから。
キスクラでは笑顔も見せるんだし(タラソワコーチとはうまく行ってるみたいですね)。
リンク上とそのほかとでのギャップもまた良し。
とはいえ、プリンスホテルアイスショーでは、どんな風に演技してるのかは気になる(苦笑)。
あと、やっぱこの人はプロポーションも日本人離れしてますね。
顔も大陸系の硬質な美人だし、ワールドワイドな人気が見込めるのではないかと。

浅田さんの演技は久々に見ましたが、ほんと上手いですね~、ビックリ。
ジャンプが上手いのはさすが山田印って感じですが、山田門下とは思えないくらい踊れるのがスゴイ(笑)。
まあ、どことなくまだ「バレエの発表会」っぽいですが、それでも上手い。
年齢制限でトリノに出られないのがつくづく惜しまれます。
リピンスキーとかヒューズみたいに、一気に突き抜けて金メダルが取れそうな伸びしろがありそうなのになあ。
まあ、次の次に期待しますか。
それにしても、この人はコーエンとはまた違った感じですけど、「美少女」という言葉がぴったり来ますね。

で、優勝したイリーナ・スルツカヤですが。
いやー、スゴイわ。とくにSPが絶品。
ノーミスとかどうとかいう問題じゃないですね、これ。格が違いすぎる。
この人の演技は、根底にあるスピード感と躍動感が本当に素晴らしい。
ほんとにこれが2年前に大病を患った人の演技なのでしょうか?
そして、26歳と、この世界ではもうベテランの域に入っているのに。
トリノではやっぱコーエンとスルツカヤが大本命になりそうですね。
日本人選手には、そこに割り込めるように頑張って欲しいです。
早くコーエンの今季のプログラムも見たいなあ。