鎌田純子先生を偲んで

『帝京史学』38号の冒頭には、阿部朝衛先生、宮川麻紀、藤澤明先生、岡部昌幸先生による、昨年亡くなられた鎌田純子先生への追悼文が掲載されています。ぜひお読みいただければと思います(リンク先で「本文を見る」をクリックすると、PDFデータが表示されます)。

https://tk-opac2.main.teikyo-u.ac.jp/webopac/TC70001685

私自身はそこに寄稿する立場になかったので、ここで私的な追悼文を捧げたいと思います。


鎌田先生、先生とはじめてお会いしたのは、6年前の3月の終わりでしたね。ガイダンスではじめて史学科を訪れた私を、先生は昼食に誘ってくださいました。教職員食堂でご一緒したあの日のランチのことは、今でも鮮明に覚えています。はじめての専任での仕事、はじめての関東での生活で緊張していたのが、先生のお陰で、リラックスした楽しいスタートになりました。

勤めはじめてからは、通勤の多摩モノレールでよく乗り合わせましたっけ。埼玉西武ライオンズの話題で盛り上がりましたよね。飲み会のあとも、モノレールでお話ししながら帰ったのが、楽しい思い出です。ころころと笑いながらお話しされる、楽しいお酒でした。
子育て世代同士、子どもの話も良くしましたね。年賀状の話題になって、「先生方にも子どもの写真の年賀状を送ってますよ~」と笑ってらしたのを、よく覚えています。

授業でも、先生のゼミの実習に、オブザーバーで呼んでくださいましたね。先生のお陰で、十二単を着るなんていう、得難い経験をさせていただきました。あれ、本当に嬉しくて楽しかったです。

先生が休職されることを聞いたときは、本当にショックでした。代講が必要だということになって、ご恩返しをするのは今だと思い、真っ先に手を挙げました。
半年で復職されたときは、本当に嬉しかったです。これからまた、いっしょに楽しく働けるんだと思っていました。ですが、それから一年あまりして、先生と永のお別れをすることになってしまいました。
あまりにも早すぎて、心残りが多すぎます。もっといっしょに、楽しくお仕事がしたかったです。今となっては、復職されてからの授業も、代わって差し上げたかったという思いは拭えません。でも、これが先生が最後までみんなに尽くされた証なのだと思うべきなのかもしれません。
今はせめて、先生にお返しできなかった御恩を、史学科のみんなに循環させていこうと思います。先生のようにはできませんが……。鎌田先生、本当にありがとうございました。