京都ミューズ『創生記』。

2次会を電車が動き出す前にお開きにしてしまったので、ネットカフェから書き込み。
あ~、布団が恋しいよう(苦笑)。電車が動き出したらとっとと帰って寝よう。

で、昨日はうちの合唱団の演奏会でした。
うちの合唱団はたいてい夏はレクイエム(モーツアルトフォーレヴェルディ)、
夏は第九というローテーションで回しています。
が、今年はちょっと趣が違って、『創生記』という委嘱作品です。
作曲は合唱団の指導者である葛西進先生で、作詞は小川英晴氏。
ばっちしフルオーケストラの曲で、ソリストもS・A・Bの3人。
ちなみに今回は、指揮:藤岡幸夫氏 オケ:京響 という組み合わせ。
6年前の初演時は、指揮は十束尚宏氏でした。

クラシック音楽にかかわった方ならお分かりいただけると思いますが、
現代作品は大体において再演されることがまれです。
そして、オケ付の曲となると、その可能性は極小で、そもそも作曲されることがあまりありません。
その中で、今回オケ付の現代作品が再演されたというのは、相当すごいことです。

そして、現代作品らしく、転調・変拍子てんこ盛りのややこしい曲なんですが、
ちゃんと合唱団は歌いこなせてましたね。びっくりしました。
今回客席から聞いていて、良くぞこんな曲を6年前に歌ったもんだと思いましたが(苦笑)。
今回は裏方としてお手伝いに入っていたので、ゲネプロ(最終リハのこと)も客席で聞いて、
正直どうなることかと思う部分もあったんですが、本番ではばっちしでした。
だいたいうちの合唱団はやたらと本番に強いんですが、
その底力と、指導者の力量、本番指揮者の実力のすべてを、改めてすごいなと思いました。
藤岡さんはしっかり演奏者を魅了する魔法を使える指揮者です。すごい。
そして京響。やっぱうまいわ(笑)。最近はほんと安心して聞いていられます。

実のところを言えば、客席にいていろいろ複雑な思いもあったんですが。
去年のそれこそブログを書き始めたころまでは、自分も現に合唱団に所属していて、
単に所属するだけじゃなくって、かなり深く運営にかかわっていました。
それを、途中でどうしても研究との両立がしんどくなって、やめてしまったんですね。
(あのころは今思い出してもほんとしんどかった…)
だから、今でも、途中で投げ出してしまった後ろめたさや、
残った仲間に迷惑と負担をかけているという罪悪感、
一緒にまた歌いたいという思う一方で、でも今は歌えない辛さ。
そういう何とも言えない気持ちで、ゲネプロを聞いていました。
本番は心配で心配で、正直それどころではなかったんですが(笑)。

身近な物事との関係というのは、近すぎるとかえって自分にとっての位置付けが見えなかったりして、
離れた時にはじめて、「自分にとってかけがえのないものだったんだ」と思ったり、
「好きだけどもう限界だったんだ」と再認識したりするわけです。恋愛と一緒ですよね。
自分にとって、合唱との関係は後者だったんだなあと、やめてからつくづくと思ったんですが、
それでもやっぱり、また歌う余裕ができたら歌いたいと思うし、
できれば一緒にやってきた仲間がいる間に戻りたいなあと思います。
歩いて帰ってるときに、ふと気がつくと第九を口ずさんでしまっていたり(苦笑)。
大学に入ってからひょんなきっかけで歌い始めて、気が付けば10年近く歌っていました。
いつの間にか、歌うことが体に染み付いてたんだなあって。
いつかまた、歌えるようになる日が来ればいいなあと思う今日この頃です。