「ルグリと輝ける仲間たち」(その2)。

「ルグリと輝ける仲間たち」@ゆうぽうと簡易保険ホール 8月11日

(第一部)
「タランテラ」メラニー・ユレル、アクセル・イボ

アベルはかつて…」グレゴリー・ドミニャック、ステファン・ビュヨン

ドニゼッティ - パ・ド・ドゥ」(初演)ドロテ・ジルベールマチュー・ガニオ

「オネーギン」モニク・ルディエール、マニュエル・ルグリ

(第二部)
「ビフォア・ナイトフォール」
第1パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、マチアス・エイマン
第2パ・ド・ドゥ:エレオノーラ・アバニャート、ステファン・ビュヨン
第3パ・ド・ドゥ:ドロテ・ジルベール、オドリック・ベザール
3組のカップル:シャルリーヌ・ジザンダネ-アクセル・イボ、ローラ・エッケ-グレゴリー・ドミニャック、マチルド・フルステー-マルク・モロー、

「牧神の午後」バンジャマン・ペッシュ

(第三部)
「ジュエルズ」より“ダイヤモンド” ローラ・エッケ、オドリック・ベザール

「ドリーブ組曲」ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン

「さすらう若者の歌」ローラン・イレール、マニュエル・ルグリ

その2というか、前回は公開レッスンの感想のみだったので、今回は本編の感想を。

○第一部
・「タランテラ」
もとはナポリの舞曲(with タンバリン)。
バランシン振付の定番の演目ですが、内容がどうというより見ていて楽しい踊り。
ユレルの弾けっぷりに比してイボがおとなしめだったので、
「年上のお姉さん&おぼこい男の子」的な取り合わせ。

・「アベルはかつて…」
最初に白い布をはさんで上半身はだかの二人が向き合ってるんですが、一瞬「鉄火場?」という風情。
実際には白い布をビッと半分に分けたところが、上手く行かずに1対4ぐらいの取り分になってしまい、
お兄ちゃんが弟を殺してしまいます。
下敷きはもちろんカインとアベル旧約聖書
近親憎悪的な関係になるんでしょうかね。

・「ドニゼッティ - パ・ド・ドゥ」
何よりまずは衣装に度肝を抜かれました。
黒がベースで、胸元と裾がオレンジ色メインの不思議なグラデーション。
ルグリ振り付けの初演作品ですが、超絶技巧バリバリの面白いパ・ド・ドゥでした。

・「オネーギン」
『オネーギン』のあらすじはコチラ
今回見たのはラスト、タチヤーナがオネーギンに求愛され、「今は人妻だから」と拒絶する場面。
ルグリもルディエールもすごく良かったんですけど、なんだかとっても「昼ドラ」な風情。
どちらかというと、これからドロドロとした情事がはじまりそうな感じです。
これ、二人のおフランスな雰囲気もさることながら、ルグリのヒゲがどうも見ててエロそうなんだよな…。

○第二部
・「ビフォア・ナイトフォール」
演目自体はいかにも~なコンテンポラリー作品で、見てて面白かったんですが…
えー、モローくんはフルステーを落としてしまいました(苦笑)。
うーん、いろんなアクシデントを見てきたけど、落としたのを見たのは初めてです。
しかもフルステー、しっかり「キャッ!」と声を出したので、会場全体がアッという雰囲気に。
落とした直後に、後ろの3組のカップルが抱き合う場面があったのですが、
見ていてこっちの方がドキドキ。

・「牧神の午後」
振り付けはティエリー・マランダン。
白いブリーフ一枚の牧神(中年)は、どでかいティッシュの箱の上で眠り、
丸めたティッシュと戯れていました…。
すいません、僕はパス(苦笑)。
キャストがもっと若い子だったら、また違う見え方になったんですかねー。うーん。

○第三部
・「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”
うーん、どうもバランシン作品との相性がよろしくないらしいです、私。

・「ドリーブ組曲
振り付けがジョゼ・マルティネス、衣装がアニエス・ルテステュで、
(「ルテステュ」って字面見ても発音が思い浮かばない…)
Aプロはその二人が踊ったのですが、Bプロはもっと若い二人。
振り付けはとっても面白かったです。
もちろん技巧的なんですけど、ところどころもう一ひねり入ってるんですよね。
「へ~~」と思いながら見てました。

・「さすらう若者の歌」
おしまいはベジャール作品。
ちょろっとだけ去年の「愛 それはダンス」で見た演目ですが、今回もどうも完全版ではないらしく。
うーん、完全版てもっと長いのか~。
とはいえ、多少なりとも見ていたおかげで、
「いじめられっ子」イレールと「いじめっ子」ルグリの支配と従属の関係は楽しめました(笑)。
完全な版を見ることができる媒体ってあるんですかねー。


うーん、やっぱりガラ公演は感想が書きにくいですね…。
初めて見る演目が多いということもあるんでしょうけど。