メダリスト・オン・アイス。

メダリスト・オン・アイス@なみはやドーム 12月29日

というわけで、午前中に塾で今年最後の授業を終えて、
今年最後のお楽しみ、メダリスト・オン・アイスを見てきました。
いやー、眼福眼福。

いろいろといいものが見られましたが、
なんといってもやっぱり安藤さんと高橋くんが飛び抜けて素晴らしかったです。

高橋くんは、オープニングでロミジュリの衣装で登場したのでこっちをやるのかなと思ったら、
自分の出番のときには白鳥の衣装にお色直し。
で、最初に生オケでロミジュリのストレートラインステップ~スピン~フィニッシュとやり、
アンコールでヒップホップ白鳥を、なんとフルバージョンで!
素晴らしい!観客が見たいものを分かっていらっしゃる!
(とはいえ、試合のほうも観戦した人はエキシのプロが見たかったかもしれませんが。
 まあ、あの白鳥を見て満足しない人というのもそういないと思いますけどね~)
エキシビションであれを軽々と演じてしまえる今の高橋くんはほんとすごいです。
エキシとかショーとかで3Aと3Lz+3T跳んじゃう人なんていないよ、普通。
いまや3回転ジャンプなら3Aであっても転ぶなんて思ってなさそう。
それぐらい、見てて自信にあふれてます。

逆に安藤さんは、ジャンプ以外の部分がほんとにうまくなったな~と。
特に、「要素でも何でもないつなぎのパート」が。
サムソンとデリラ」のエキシ仕様と、アンコールで洋楽のバラードを演じたんですが、
たとえば「サムソン~」の冒頭の踊りとか、見ていて本当に引き込まれます。
あと、インタビューの受け答えが本当に素晴らしかった。
ああ、大人になったんだねえ…と、しみじみ。

浅田さんもSPのエキシ仕様とアンコール(ええっと、何だっけ…)だったんですが、
今年の見せ場はやっぱストレートラインステップですねー。あれは凄かったです。
運動量もすごいし、重心移動も多くて大変だと思うんですが、安定して滑りきりますもんねー。
インタビューでの天真爛漫さは、あそこまで行くともういっそお見事(笑)。
国分くんは完全に翻弄されてましたね。会場爆笑でした。

あと、プログラムでおもしろかったのは水津さん。
インド風の音楽という斬新な選曲だったんですが(始まった瞬間度肝を抜かれた)、
腕の動きをはじめ全体の身のこなしが完全になりきり。
ジュニアであの動きができるのはすごいと思います。素晴らしい。
こんなに個性的な子なのかーと。これは確かに注目かも。
…なんというか、サンデュを思わせるプログラムでした(めちゃめちゃ誉めてるんですよ! 笑)。

以下、印象に残ったことを思いつくまま。

○羽生くん
ジュニア全日本3位の羽生くん、男子のトップバッターだったんですが、
曲が「シング・シング・シング」、振り付けも完全にバトル・トリビュート。
きっとバトルは彼にとってのヒーローなんでしょうね。
演技もなかなか良かったです。将来が楽しみ。

○小塚くん・無良くん・佐々木くん
ほぼ同世代の3人ですが、三者三様にダンス系のナンバー。
が…なんだろう、小塚くん・無良くんがこれをやると、
すっごい「育ちのいい子が無理に外そうとしてる」感じに見えるんですよね~(笑)。
現実問題として、特に小塚くんは持ち味のスケーティングの美しさが生きない感じ。
対して佐々木くんは、わかりやすく「目立ちたがりな男子高校生」な感じで非常にかわいかったです。
被り物で登場した瞬間、会場の空気が引き気味でどうするんやろと思いましたが(笑)。
まあそんなところも高校生だと思えばかわいいもんです。

あと、小塚くんの「サタデー・ナイト・フィーバー」を見てわかったのは、
あのテンポで最初から最後までやると飽きちゃうんだなあ、ってことですね。
バラードとかで最初から最後までスローで見せるのも相当難しいと思うんですが、
それでもまだサビの部分でメリハリがききます。
でも、アップテンポの曲で通すと本当に曲単体のメリハリはないので、
相当踊りで引っ張らないとしんどいんですよね。
クラシックだと逆に編集でどうとでもなる部分なんですが。
で、そういう点で、いろんな曲をつないだベルルンの「サタデー・ナイト・フィーバー」は
なかなかうまいやり方だったんだなあ、と。

そういえば小塚くん、オープニングの紹介でいきなりサーキュラーステップから行ったんですが、
時間切れで、最後の決めのスピンに入った途端照明が切り替わってしまいました。
ちょっとお気の毒。
あと、インタビューで紹介されたトリノに向けて一言書いたボード、
小塚くんがいちばん「がんばりましょう」な字でした。
これからいっぱいサインとかもすることになるんだし、頑張って練習してね~。

ああ、そうだ。
今回織田くんがいないこともあって、毎回恒例(?)の即席ペアの余興は
中野さん&小塚くんだったんですが、ひじょーに合ってなかったです。
もう開始位置に着く所からずれてるし。
で、ストレートラインステップでは小塚くんがどんどん先に行っちゃうんですが、
小塚くん全然見なくて合うはずもなく。
逆に、「ああ、織田くんと中野さん」ていいペアだったのね…と。
まあ、急に合わせるのも難しいんでしょうねー、きっと。

○南里くんのインタビュー
南里くん、カルメンサーキュラーステップをかっこよく決めたところはよかったんですが、
インタビューの冒頭「今日の感想はいかがでしたか」と聞かれて
いきなり「今日は緊張感がなくて…」と言ったきり絶句。会場爆苦笑。
そういう時は「今日はリラックスして滑れて」と言えばいいのですよん。
演技の時はだいぶ落ち着けるようになってきたけど、
インタビューでのあがり症はなかなか思うようにはいかないようで。
ま、そういうところも彼のかわいいところですけどね。

井上真央さん
「安藤さんと同い年」にして「浅田さんと同じ名前」という
ある意味で実に得難い人材である井上真央さんですが、
(個人的に「キッズ・ウォー」はなかなか好きだった)
結果的にはどうにも所在なさげな感じでした。
まあねー、あの短い時間での一言二言でどう絡めっちゅうねん、という話なわけで。
高橋くんとの会話はちょっと間があったところで司会が引き取ってしまい、
高橋くん・井上さん双方が苦笑して終了~。
もっと時間があったらそれなりに盛り上がりようはあったと思うので、
いっそ試合とは関係ない特集番組かなんかでトークの企画を組めばいいんじゃないですかね。
需要はあると思うし、井上さんが仕事としてではなく
ほんとにフィギュアファンになってくれれば、フィギュア界としてもめっけものなわけで。
(どうせならほんとにファンなゲストが来てくれるほうが、見てる方としても楽しいので。
 堂本光一くんがゲストの時のF1中継はなかなか楽しいです。)


もうしんどいので逐一全部は書きませんが、みんな本当に見ごたえがあって、
大満足の素晴らしいエキシビションでした。
国内大会でこれだけレベルの高いエキシビションになるんだから、
今って本当に選手層が厚くてしてるんだなーとつくづく。
生オケ・合唱付きのフィナーレの企画を定番化するなら、
このまま大阪の冬の風物詩にしてしまうのが非常に都合がよいと思うのですが。
(あれ、中核はオケが京都市交響楽団、合唱は大阪の合唱団です。
 28日のリハーサルが仕事とかぶってなかったら、個人的には歌いたかったんだけど 笑)
まあ全日本の開催地との絡みもあるし、というわけで、来年はどうなるんでしょうね。
近場なら見に行きたいけどなあ。