『へうげもの』11。

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だいぶお話も煮詰まってまいりました。
時期としては、文禄の役慶長の役の間の和平交渉期のお話です。
本筋よりも気になるのは徳川家康の動向で、
すでに前巻で柳生宗矩が登場して、茶→剣という転換が準備されていますが、
今回は息子秀忠への言葉として、家康の腹づもりが語られます。
古田織部作の今焼を前にして曰く、
「泰平創りに肝心な事はもう一つ……皆 賢すぎるのよ……かようなものを良いと申す者がおる程に……
 賢き者は爪を隠してでも己を前へ出さんとするもの……出さんとすればまた争いが起こる……
 この流れを止めねばならん」

戦国~江戸初期は専門ではないのであれですが、一般論として言えば、
下克上とは実力主義で、階層間の流動性が大きい一方、全体としては戦乱が続くわけです。
その下克上の連鎖に歯止めをかける試みは、すでに豊臣秀吉兵農分離に見られますが、
そこに秩序の枠を覆い被せて身分階層を固定化したのが徳川家康である、と。
そうしないといわゆる「天下泰平」というものは望めなかったというのは理屈ではわかるのですが、
個人的には「やっぱり詰まらんなあ……」と思ってしまいます(苦笑)。
だからって、じゃあ中世が好きなのかと言われると、そう言うわけでもないんですけどね。
(というか、現代以外の時代に生きてみたいなんてこれっぽっちも思わないもんなあ。)

んー、関ヶ原とかは多分あっさりと終わらせると思うので、
あと3巻で終わり、とかですかね。あと2巻とかの可能性もありかも。
どう店じまいしてくれるのか、楽しみにしています。