NHK杯・男子。

いよいよGPシリーズ開幕です!
開幕戦がNHK杯というのも変な感じですが。
ずっと長いこと、NHK杯は最終戦でしたからねえ。
 
録画に失敗した部分があったりなんやりかんやり…で、とりあえず男子の感想から。

Daisuke TAKAHASHI 234.79 1 1
Jeremy ABBOTT 218.19 2 3
3  Florent AMODIO 213.77 4 2
Yuzuru HANYU 207.72 5 4
5  Shawn SAWYER 193.80 3 8
6  Takahito MURA JPN 191.85 9 6
7  Jialiang WU 189.58 8 7
8  Kevin VAN DER PERREN 189.41 11 5
Ross MINER 186.62 7 10
10 Adrian SCHULTHEISS 181.47 10 11
11 Jeremy TEN 176.48 12 9
12 Denis TEN 171.68 6 12

いやいやいや、「これがほんとにGPシリーズの1戦なの?」という、開幕戦からすごい試合でした。
まあ大体面子がすごかったですけどね。恐ろしく濃い面子。
フリーの滑走順に、印象に残った人の感想を。
 
○J.テン
2人のテンくんの1人目登場。
SPで出遅れて、ちょっとしょんぼりだったJ.テンくんでしたが、フリーでは頑張りましたね!
3Loのコンビジャンプがすっぽ抜けた以外は、3Aも2本ちゃんと決まって良い出来。
それに、プログラム自体がなかなか良いと思いました。
クィーンのオケバージョンのメドレーでしたが、やっぱええ曲ですよ。
 
○KVDP
去年の世界選手権で4-3-3のジャンプをやってのけて世界をアッと言わせ、
引退も撤回してくれてNHK杯参戦、さあ期待してるぜ!
…っていうところで、SPでやらかすのがケビンらしいと言えばらしいです(苦笑)。
なんか最後はちょっと集中力が切れちゃってましたね。残念でした。
で、まあケビンのシーズン初戦てたいていこんなもんですけど~
…って思ってたら、何ですかこのフリー!!
のっけから4T決めて3A決めて、さらに3F+3T+3Tの3連コンボ。
これだからファンはやめられません。気合入ってたよなー。
フリーだけなら5位の出来でした。
てゆーか、この出来の演技で5位ですか?って感じですが。今日は何しろ他が良過ぎます。
曲は「ハムナプトラ」でしたが、そういや昔本田くんも使ってたな~この曲と思って見てました。
 
昨シーズンの前衛的な演技で世界に衝撃を与えたシュルタイスですが、
SPの演技は、転倒もあって不発でした。
で、さてどうでしょう?と思っていたフリーは、意表のロミジュリでした。
「『ロミオとジュリエット』をニーノ・ロータプロコフィエフのサビだけで編曲する」というのは、
斬新と言うか、あまりのことに誰も今までやらなかったと言うか(笑)。
いやー、でもこれが、曲のアレンジでこんなにいいプログラムになるんですねえ。
思わず静かに見入ってしまいました。うーん、予想の斜め上を行く人だ…。
ジャンプの転倒もあって、今回の点数はあまり伸びませんでしたが、
今後技術的に詰め込んで、完成度を上げてきて欲しいです。
それにしても、キスクラでとぼけた顔してヘビ踊りを踊りだすコーチとは本当にいいコンビですね(笑)。
 
○無良くん
故障上がりのシーズンでどうかと思っていましたが、
なんかむしろスピードは増してるんじゃない?という勢いのあるジャンプがすごく良かったです。
最初の4回転がバシッと決まり、後半最初の3A+2Tをきっちり決められたのもグッド。
このジャンプの調子を持続できて、他の要素が決まってくれば、後半楽しみですね。
 
○D.テン
2人のテンくんの2人目。
コーチがフランク・キャロルになっててびっくりでしたが、ステップワークとかガラッと変わってましたね~。
フリーはリストの『死の舞踏』でしたが、手の決め方とかが去年のライサを見ているようでした。
これがキャロル流ってことなんでしょうか??カッコイイです。
ジャンプが決まらず残念な点数にはなりましたが、まあまだこれからです。
変形イーグル(これはキャロルになっても変わんないのね)とかいろいろ見せ場はあったので、
個人的には楽しめました。
 
○羽生くん
いやー、大器ですねこの子は!
シニアデビュー戦で最初の四回転をいきなりクリーンに決めちゃいますかね。
しかも後半最初のジャンプは3A+3Tだし。スゲースゲー。
荒川さん張りのイナバウアーもあり、スピンのポジションもきれい(個人的にはシットスピンが好み)。
3Loが抜けたり、終盤にバテがありありと見えたりと課題もありましたが、
それでも3Sを最後に跳び切るところも素晴らしいです。
でも、何よりすごかったと思うのは、SPの3Lz+3Tでした。
ルッツのあの軸の曲がり具合から、なんで2つ目に3Tが付けられるんですかね。信じられません。
これからが本当に楽しみです。
 
○アモディオ
ダンスの神光臨(笑)。いやー、「サンデュの再来」だと前から思っていましたが、ある意味それ以上かも。
実のところ、ステップはレベルが取れてなくて「にぎやかし」状態なのですが(苦笑)、
まあ今回ステップはどうもみんなろくにレベルが取れていないので。
この辺はシーズン初戦ならではですね。
見ていて楽しい、かつ素晴らしい演技でした。フリーの演技だけなら2位です!
あれだけキスクラでまで踊り倒したのは彼が初めてでしょう(笑)。
それにしても、やっぱり「モロゾフ効果」ってあるんですかねー。
 
○ソーヤー
クリムキン引退後の童顔・謎テク・不思議演技の第一人者であるソーヤーが、またNHK杯で見られるとは!
ボロデュリンの欠場は残念でしたが、ソーヤーの参戦はうれしいサプライズでした。
相変わらず地味に変なことをいっぱいしてましたね~。
女子選手に引けを取らない美しいスパイラル、変形イーグル、とどめはⅠ字スピン。
そもそも、あのアモディオの演技のあとに、会場をスッと自分の空気に持って行けるところが素晴らしいです。
さすがベテランの味。あと、スピンの軸が本当にブレなくてきれい。
転倒もあって順位自体はSPから下がり表彰台は逃しましたが、
本人も満足のいく演技だったようで良かったですね。
 
素晴らしい出来だと思ったSPは、スピンが一つ無効になって、予想外に低い得点に。
1つ要素が抜けてるとはいえ、もっと点が出てもいい演技だと思いましたけどねー。
今日も、4回転を回避して、小ミスがちょこちょこあったとはいえ、そんなに低い点になるんだ、という印象でした。
まだちょっと基準がわかんなくて難しいですね。
それでも貫禄の2位表彰台ゲットはさすがです。
特にフリーのプログラムはまだまだ伸び代がありそうな感じだったので、こっから調整していって欲しいです。
 
○高橋くん
衝撃のマンボから一夜明けて(笑)、今日はタンゴの日。
4回転をビシッと決めて、3A、3A+2Tもきっちり決めて、すべてGOE+評価。
終盤のジャンプ2連続失敗は「まだまだこれから」ということなんだろうなとも思いましたが、
結局フリーはPCSでもドカンと点が出て、SP・フリーとも1位の完全優勝でした。
ようやくここまで戻ってきたんだねえ…としみじみ。
今年はぜひ、世界選手権連覇に向けて頑張って欲しいです。
ファンにとっての課題は、世界選手権までに「ウッ!」の掛け声のタイミングを覚えることでしょうか(笑)。
 
 
「変形イーグル祭り」になるかと思いましたが、結局参加者はD.テンくんとソーヤーだけでしたね。
全体に「しょんぼりな演技」というのがほとんど無くて、本当にいい試合でした。