小松左京死去。

小松左京さんがなくなりましたね。
巨星墜つ、という感じでしょうか。
この人の作品は、SFとしての面白さはもちろんなのですが、
スケールの大きさとリアリティが比類ないものだと思っています。
このあたりなんとなく、世代は一つずれますけど、梅棹忠夫氏との共通点を感じるんですよね。
あと、この人はSFの持つ「社会についての思考実験」という要素をかなり意識して書いていた作家だと思います。
特に『首都消失』がそうですかね。
つまり、「もしもこういう事態が発生したら社会はどのように変化するか」とシミュレートすることを
作品の大きな目的の一つに置く、ということです。

実は短編はコミカルな作風のものが多くて(というか関西テイスト)、それもまた楽しいんですけどね。
個人的には、この人の描くちょっと理想主義的でカッコイイ青年主人公が大好きでした。
前にも書きましたが、『復活の日』の吉住隊員とか。
高校・大学学部時代に読んだので、自分にとっての人としての理想像というか憧れというかの
結構な部分は、小松作品で形成されてる気がします。

母校の偉大な先輩のご冥福をお祈りします。