#読書

『アルスラーン戦記16 天涯無限』

読了しました。 ……うん、悪くないんじゃないかな。 この手の完結まで長期間かかった作品というのは、往々にして「未完のままでよかった」と思うことが ないわけではありませんが、読み終わってそういう気分にはなりませんでした。 結末は、予想通りの部分も…

ゆうきまさみ『白暮のクロニクル』

単身赴任になった当初、生活のあまりの潤いのなさに音を上げて、 「何か手ごろな趣味の場はないものか」と探しておりましたところ、出会ったのが「Norwegian Wood」というBar。 このお店、コンセプトの一つが「読書」で、読書会とかのイベントがあるんです。…

『アルスラーン戦記15 戦旗不倒』。

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51PDJefmn0L._SX306_BO1,204,203,200_.jpg なんというか……まあそうですよね、死にますよね、みんな。 ファンから不満の声が上がるのもわかる気はしますけれど、でもなー、この人そういう作風だからなー。 むしろ、ど…

小松左京死去。

小松左京さんがなくなりましたね。 巨星墜つ、という感じでしょうか。 この人の作品は、SFとしての面白さはもちろんなのですが、 スケールの大きさとリアリティが比類ないものだと思っています。 このあたりなんとなく、世代は一つずれますけど、梅棹忠夫…

芥川の恋文。

忙しさにかまけて、うっかり全日本の男子SPを見逃してしまったヒナです。 …「見ててもどうせ6人分の演技しか見られなかったのか」という気はしますけどね(苦笑)。 去年までの放送はずいぶん良かったと思うんですけどね。 どうしちゃったんでしょうかフ…

『旅人―湯川秀樹自伝―』。

立て続けに古典の作品ですが、取り上げるのは湯川秀樹博士の自伝である『旅人』です。 以下、すっかりイレ込んでしまったので、「湯川先生」と呼んでしまうことにします(笑)。 湯川先生の文章が面白いこと自体は、以前から知ってたんですよね。 というのは…

辻邦生『背教者ユリアヌス』。

いまさらレビュー?という感じの古典ですが、 まあ僕にとっては「自分が読んだ本」というのが大事なので。 というわけで、今回は辻邦生『背教者ユリアヌス』です。 もともと気にはなっていた作品だったのですが、今まで読んでいなかった理由は、 勝手に「ユ…

村上春樹『1Q84 Book3』雑感。

「レビュー」というよりは「雑感」。 Book1・2の反響に比べて、Book3の反響は恐ろしく静かです。 まあそりゃそうだよねーと思いますが。 だいたい1・2にしたって、そこまで社会現象になるような本かと言われるとちょっと…? ま、「新作が出るだ…

銀英伝の舞台化。

観に行くかどうかは別問題の話題です。 結局SOIも観に行けないしな…。きゅう。 えー、『銀英伝』が舞台化されるそうで。 公式HPhttp://www.gineiden.jp/ 会場の「青山劇場」には行ったことがないのですが、 客席数1200ということはそんなに大きくな…

ジョージ・オーウェル『一九八四年』(古びるもの・古びないもの 下)。

「上」の方を書いてからちょっと間があいてしまいましたが、 むしろ、この忙しい中に何で毎日更新してるんだか…って感じですかね。 (以下、一部ネタバレがあります。ご注意下さい。) 今回取り上げるのはジョージ・オーウェル『一九八四年』です。 村上春樹…

松本清張『ゼロの焦点』・『砂の器』(古びるもの・古びないもの 上)。

3月に入って、博論の締め切りやら来年度の準備やら新しい仕事やらで大忙しです。 そんなわけで、しばらくは遠出もままならないので、いろいろ溜めていた感想でも書いていこうかと。 トップバッターは、松本清張『ゼロの焦点』・『砂の器』。 どちらも松本清…

北村薫『空飛ぶ馬』。

久々のブックレビューですが、取り上げるのは20年前の作品です(苦笑)。 ま、いいんですけどね。基本的に、速報性というやつにまったく重きを置いていない人間なんで。 北村薫さんのデビュー作でもある『空飛ぶ馬』は、 「織部の霊」、「砂糖合戦」、「胡…

塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界』。

塩野七生さんの新刊は、『ローマ亡き後の地中海世界』というタイトルでした。 去年文庫になった『ルネサンスとは何であったのか』の巻末の、三浦雅士さんとの対談で、 「実はいま、イスラムを勉強しているんです」というセリフがあったので、予告通りの内容…

借り物。

年明け早々にめでたくなさそうな絵柄…(笑)。 今日は恒例の祖父母への年始のご挨拶に行ってきました。 2人とも相変わらず元気な80代で何よりです。 で、お盆の時に引き続き、祖父のコレクションから横溝正史作品を拝借。 今回は『三つ首塔』・『女王蜂』…

アルスラーン戦記13「蛇王再臨」。

明日も朝から早いのに、こんな時間にこんな記事で更新するなんて 正気の沙汰じゃないとは自覚してはいるのですが、認識が行動と直結しないもので…(苦笑)。 先日公式サイトを見たら、唐突に新刊が出ていてぶったまげました。 というわけで、久々のアルスラ…

筒井康隆『七瀬ふたたび』。

今週からいよいよNHKのBSで『タイタニア』の放送が始まりますが、 地上波では筒井康隆の『七瀬ふたたび』をドラマ化するんですね。 筒井康隆『七瀬ふたたび』は、いわゆる『七瀬3部作』の第2作です。 以前も書いた通り、この3部作、筒井作品の最高傑…

怖い表紙。

お盆とは言ってもほとんど家に籠もりきりの毎日ですが、 今日はちょっとだけ、母方の祖父母の家を訪問。 相変わらず元気な祖父母で、うれしいことです。 で、出掛けに慌てていてろくに読むものを持たずに出たので、 帰り際に祖父の蔵書の中から一部を拝借。 …

村上春樹ロングインタビュー、続編。

以前紹介した村上春樹ロングインタビューの続編が、昨日・今日と毎日新聞の夕刊に掲載されています。 村上春樹氏の語る<現在> (上) 新訳した「ティファニーで朝食を」に衝撃 「最も遠いのは日本的私小説」 (下)グローバリズムと地域主義 歴史から学び…

村上春樹ロングインタビュー。

今朝の毎日新聞に、村上春樹ロングインタビューが掲載されています。 村上春樹氏:ロングインタビュー 僕にとっての<世界文学>そして<世界>(毎日新聞) 内容は、近年手がけているアメリカ文学の翻訳についてや、それが自身の創作に与えた影響、 現在執…

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』。

言わずと知れた名作で、「なんで今さら?」と思われるかもしれませんが。 実は今まで読んだことがなくて、たまたま近所の古本屋で100円で見つけたので読んでみた、という次第。 まあ、もともとタイムリーであることにこだわっているブログでもないので。 …

読書バトン(その3)。

しぶしぶ「その3」突入です。 6.現在オススメの本は? これがねー、あんまし思いつかないんです。 最近は専門書以外の新刊をあまり読まなくなっちゃって。 新刊以外の本で言えば、ここまでですでに書いた本で十分でしょうし。 あ、そういえば、近々ここに…

読書バトン(その2)。

前回に引き続き、「読書バトン」です。 5.大学生以上ではまった作家は? 塩野七生・村上春樹・司馬遼太郎・田中芳樹・桑原水菜。 塩野七生・村上春樹・司馬遼太郎は、いずれも 「高校時代から読んでいたけど、大学生になって本格的にはまった」作家。 塩野…

アルスラーン戦記12「暗黒神殿」。

さっそく読みました、「アル戦」最新刊。 表紙を飾っているのはイスファーン+狼二匹。こういうのも珍しいですね。 10巻でトゥースが美人3姉妹をゲットして以降、 随分と脇役キャラの存在感が大きくなってきた本シリーズですが、 今回もイスファーン・グ…