『花よりも花の如く』10。

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先に書いておきますが、今回憲人くんへの評価が辛いのは、半分くらいは精神的同族嫌悪です(笑)。
なんというか、傍から分析すると、憲人くんが「葉月さんの気持ちがわからない」というのは
結局のところ自分自身の自信のなさの投影で、
だからこそ「うだうだ」ってなった時に「稽古しよ」というベクトルに気持ちが向くわけです。
でもなー、これって要するに逃避なんだけどなー。前向きな逃避は嫌いじゃないけど、うーむ。

もしリアルで身近にこういう人がいたらどう思うかというと、
きっと「で、結局のところ君はどうしたいねん??」と聞くだろうなあと思います。
香取神宮の花嫁脱走エピソードが挿入されるとなおさら。
花嫁さんが花婿さんに投げかけ、葉月さんが花嫁さんに投げかけた疑問
「あなたにとって相手の存在は何ですか?」というのを、読者は憲人くんに投げかけるわけです。
なんというかこう、草食とか肉食とかの垣根を越えて、決定的に煮え切らない(苦笑)。

それにしても、「内面の人間的な成長が必要なお年頃」ということなんでしょうが(憲人27歳の春)、
このところ能そのものを描く展開にあまりなりませんねえ。
作中時間で2年かけて、『道成寺』を披いたところで大団円、てことなのかなあ。

個人的には、「鹿島神宮香取神宮に電車でいっぺんに行くのは無謀だったのかー!」というのが驚きでした。
まあ確かにきつい行程でしたけど。おまけに+成田山新勝寺・佐原だったしなあ。
以前自分で行った場所が登場すると、いろいろ記憶がよみがえりますねやっぱり。