羽生結弦『蒼い炎』。

世間では現在フィギュアスケートの世界国別対抗戦をやっていますが、あいにくと見ている余裕がありません。
なにしろ、こないだの世界選手権の撮り溜めした分が全然見られてないんですから。
…放送局がテレ朝でなければ、もうちょっとやる気を出して見たんじゃないかというのは否定しませんが。

で、そんな中でもう何度も何度も何度も何度も繰り返し見ているのが、世界選手権男子フリー、羽生くんの演技。
もう本当に素晴らしいです。あれは奇跡の4分半でしょう。転倒までドラマにしてしまうなんて。
リアルタイムで見ていた人が本当にうらやましいです。
「3位なのになんだか優勝しちゃったかのような雰囲気」というのは、まるで全日本の表彰式の再現のようでした。
再現というか、さらにスケールアップしてますけど。
ネット上で各国版の動画がアップされていますが、転倒後の3A+3Tを決めた瞬間、
どの解説・実況も押し並べて「信じられん!」という反応をしているのが実に印象的です。
そりゃそうだよなー、ふつうはあのままグダグダになるもんだもんな~。
ほんとどこまで大器なんでしょうこの子は。
合唱団のお友だちが「もう完全にハートをわしづかみにされた」と言っていましたが、よくわかりますその気持ち。
未見の人はぜひ動画を探して見てみてください。本田くん&西岡さんの解説・実況もいい仕事してます。

で、そのあおり(?)を食って完全に品薄になってしまったのがこの本。
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なんせアマゾンですら品切れになってましたからね。
出版元も、まさか世界選手権でメダルを取れるとは予想外だったでしょうからねー。
好成績を期待はしていても、だからって沢山は刷れないわけで。いったい誰が初版で買えたんでしょう?
この本はチャリティブックで、印税はすべて東日本大震災で被災したアイスリンク仙台へ寄付されますから、
重版が売りに出た今、みなさまぜひぜひ買いましょう。

内容はいろいろ面白かったですが、
個人的に興味深かったのは、Pちゃんとライサチェックに対する評価の高さですね。
特に、プルシェンコファンを公言している羽生くんですが、
バンクーバー五輪の結果に関して実に冷静な評価を下しているのが面白かったです。
どうにも日本では風当たりの強い二人ですが、羽生くんの評価を読んでなんだかホッとしました。

あと、ファンタジー・オン・アイスについて、
ジョニー・ウィアー選手とステファン・ランビエールさんが歌いながら化粧をしてるような楽屋の雰囲気」
というくだりがあって、想像したら笑ってしまいました。まあ本当に歌ってるんだろうなこの二人(笑)。
あ、あと、プルシェンコが羽生くんにビールマンのコツを伝授して奥さんに叱られた話もグー。
「そんなライバルに塩を送るようなことしちゃダメ!」ってことなんですかね。
ジュニアのライバルについての話も面白かったです。今後が楽しみ楽しみ。