『テルマエ・ロマエ』Ⅴ。

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ネット上の評価を見てると賛否両論割れてるみたいですが、個人的には楽しめました。
別に「風呂マンガ」の路線を外れてるわけでもないし、
一話読み切りのままでずっと続けられたわけでもないと思うので、
これで良かったんじゃないかなーと思うんですが。
一話読み切りのままだといずれネタ切れにもなるだろうし、逆に完結させるのも難しいでしょうしね。
で、連載になったらストーリーマンガにならざるをえないし。

あと、この作品は確かに「風呂マンガ」だったわけですけど、
たぶんその根底にあったのは、「ローマ人が描きたい!」という欲求だったんだと思うんですよ。
単に風呂文化を描きたかっただけなら、それこそラズウェル細木の『う』みたいにやっちゃっても良かったわけで。
(それはそれで読んでみたい気もしますが)

そういう意味では、この巻で作者が描きたかったものは非常にわかりやすくて、
一つは巻末でも説明されている「ベン・ハー」をモチーフにした戦車競走、
もう一つは、ルシウスの祖父がルシウスに語った「素晴らしい建造物とは何か」という考え方でしょう。
というか、その背後にある「過去への敬意」ですね。
僕は後者の部分を読んでいて非常に楽しかったです。
そこには、「これを伝えたい!」という作者のパッションが感じられます。

キャラ的には、ハドリアヌスアントニウス=ピウス、マルクス=アウレリウスの三人がどれもいいですが、
やっぱり個人的にはマルクス=アウレリウスがいちばんカワイイですね。ええ子やなあ。
あと、鉄さんはあからさまにトミー・リー・ジョーンズですね(笑)。日本好きのご本人が知ったら喜びそう。
次巻で完結かな?今から楽しみです。