「教訓」あらため「ロミジュリ」感想。

今日はフェスティバルホールで、シュツットガルト・バレエ団「ロミオとジュリエット」を観てきました。
ほんとはそんな予定ではなかったのですが、昨日の晩に急遽決定。
いやー、すごく良かったです。観に行ってよかった~。
日曜の「春の祭典」もそうなのですが、良かった時の方が、
書くことがいっぱいありすぎて感想が追いつきません(苦笑)。
とりあえず良かったということだけ書いておいて、詳しい感想は後日あらためて。

で、思ったことをひとつ。
良い公演の時ほど、一人で観るのは寂しいし物足りない。

別に、同じものを見たときに、同じ感想である必要はないんです。
でも、見たものについて感想のキャッチボールをすることで、
それを2度楽しみたい、という気はします。
とはいえ、楽しくキャッチボールできる相手というのは、なかなかに得難い。

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(以下、12月10日記)
さてさて、フロリナさんからリクエストをいただいたので、
遅まきながら感想をアップしてみました。

11月15日(火) シュツットガルト・バレエ団「ロミオとジュリエット
(振付:J・クランコ/作曲:Sプロコフィエフ
ジュリエット:アリシア・アマトリアン
ティボルト:イリ・イェリネク
パリス:ニコライ・ゴドノフ
ロミオ:フリーデマン・フォーゲル
マキューシオ:アレクサンドル・ザイツェフ
ベンヴォーリオ:フィリップ・バランキエヴィッチ
(他のキャスティングを書いた紙が見つからない…)
管弦楽関西フィルハーモニー管弦楽団 指揮:J・タグル

ジュリエットは幼さと育ちのよさ(気品)を兼ね備えたいい演技でした。
見てて惚れ惚れする感じです。
ロミオは、第一幕第三場で三人(ロミオ・マキューシオ・ベンヴォーリオの助さん格さんそろい踏み)
そろって回転するところで、どうも一人だけタイミングがちょっと遅れてて、アララ…なところもあり。
友人の話では、この面子だとテクニック的にロミオがいちばん危ういとのこと。
とはいえ、第二幕第一場(で、あってるかな…?)のソロの回転は、さすが!!
非常に若くて見目麗しいロミオとジュリエット

面白かったのが、筋としては悲劇なんですけど、最初の場面からすごく明るいし、
特にロミオ・マキューシオ・ベンヴォーリオの三人について、
すごく若さとか快活さが前面に出た振付なのです。見ててすごく気持ちいい。
そういう面と、情緒的な場面、苦悩する場面、悲しみにくれる場面とで、
すごく対比がくっきり出てて、悲劇性がより効果的に出ていたような気がしました。
バルコニーの場面もストレートな青春讃歌っぽさがあってとても良く、すごく気に入りました。
踊りじゃないですが、別れ際のロミオの「懸垂しながらキス」が見ててとっても微笑ましい(笑)。

それと、あらためてこの話を見て思ったんですが、
これってどっちかというと「ジュリエットの悲劇」なんですね。
結婚のお膳立てが本人が蚊帳の外でできてるところに、熱烈な求愛を受けて、
その愛に応えたら、相手は刃傷沙汰で追放処分、
何とかするために一人リスクを背負って仮死状態になるために薬を飲む…。
キャスティングも良かったので、思いっきりジュリエットに肩入れして見ました。
あと、マキューシオとベンヴォーリオも重要なすごくいい役ですね~。
マキューシオ×ティボルトの殺陣も非常に良かったです。
まあ何だ、一番のとばっちりを受けるのはパリス君(ジュリエットの婚約者で、
仮死状態(とは知らないけれど)のジュリエットのそばについているところをロミオに殺されてしまう)
なのかもしれませんがねえ(苦笑)。

音楽は、関西フィルは良く頑張ってましたね。
弦もところどころアレレなところがあったけれど、全体としてはよく頑張りました!という感じ。
音楽が生オケのときは、オケの出来が公演の出来をかなり左右するものですが、
今回はちゃんとオケの演奏も楽しめました。
ちゃんと聞いたのは初めてだったのですが、プロコフィエフの曲も非常によいです。
主題も印象的だし、場面ごとのメリハリも効いてて。うーん、これもCDが欲しい。
もっとも、NHK杯を見ていて、映画版「ロミジュリ」のサントラ(N・ロータ作曲)も
欲しくなったのですが。
(ロータは「ゴッドファーザー」のサントラも欲しい…と、プルシェンコの演技を見て思う今日この頃)

この2日前の兵庫県立文化センターのガラ公演で、ラブロフスキー版ロミジュリバルコニーシーンを見て、
今回はクランコ版。でもって、先日友人がマクミラン版のビデオを貸してくれたので、
これで主な版を見比べることができるはず…なのですが、
ビデオを見る時間が取れないよ~。こういうのって、「ながら」じゃ見れないですものね。
今度の日曜日は、しっかり2時間空けられるでしょうか。空けたい。