阿部謹也氏死去。


またしても巨星墜つ、という感じですが…。
同じ中世史でも西洋史ということで、全く畑違いなので著作等を読んだことはほとんどないのですが、
逆に言えば、畑違いであるにもかかわらず名前はちゃんと知っている研究者だ、ということです。
学問の境界線を越えてものを言える数少ない研究者の一人であった、と言えましょう。
最近とみにそういう人が歴史畑で減ったのは、
各分野の専門性がさらに高くなってきているからなのかもしれませんが、
あるいは、もっと各方面に向かって、ことに現代社会や現代政治に対して、
勇を奮って発言していくべきなのかなあ、と。
それは今の私がやるべき仕事でないのも確かなのですが。

私は阿部謹也氏と面識は当然ありませんが、小学校時代からの親友が、
阿部謹也氏のところで西洋史がやりたくて、一橋大学に進みました。
で、3回生で専門に進んだ時にちょうど定年退官…というオチがつくのですが、
学部生の時にちょうど阿部氏が学長だったということで、
「こないだ学長と酒飲んで話したぞ~」と友人が嬉しそうに話していたのを思い出します。

このご時勢、71歳なんてまだ若いのになあ。
ご冥福をお祈りします。