敗者なき最終戦。

2006年最終戦、そしてミハエル・シューマッハの引退レースである、ブラジルGPが終わりました。
母国GPで見事に勝ったマッサ。
2位でシーズンタイトルを決めたアロンソ
最後方から怒涛の追い上げで4位入賞、ぶっちぎりのファステストラップをたたき出したミハエル。
上位と互角のレースペースで10位完走の琢磨。
…なんかこう、いろんなものが落ち着くべきところに落ち着いて、
敗者らしい敗者が見当たらないレースになりました。
(あえて言うなら、切られ役と化したライコネンとフィジコだな 苦笑
 2人とも来シーズン、チームメイトに踏みつけにされないように気をつけるんだよ~)
欲を言えば、ミハエルが表彰台まで届いてたら言うことなしだったんですけどね。
序盤のアクシデントがなければ勝ってたろうに…とももちろん思うし、
あと最後、ハイドフェルドの自爆(まあ多分、その前の接触によるマシントラブルだと思いますけど。
パーツが一部飛んでたし)で、1コーナーに黄旗が出てしまったのが惜しまれます。
とはいえ、それもまた運命。

シューマッハは、環境的には非常にツイてた人だと思う一方で、
ライバルに恵まれなかったという点では、ある意味とてもツイてない人だったと思うんです。
プロスト教授、神様セナには勝ち逃げされ(死んでしまった人とは勝負ができないもの)、
ダントツで勝ってたらFIAにいじめられ。
97年シーズンのヴィルヌーブへの体当たりは弁解の余地はないけれど、
そもそものことの起こり、94年シーズンの対ヒルの体当たりは、
後味は良くないとはいえ、情状酌量の余地が十分にあると思うし。

結局のところ、シューマッハが一番輝いていたのは、
ハッキネンと一騎打ちを演じた98年・00年ではないかと思います。
(それも結局、ハイライトは切られ役としての98年鈴鹿・00年ベルギー)
やっぱライバルがあってこその魅力なんですよね。

その意味で、アロンソは最後にきっちり王者を下してタイトルを取れて、
非常に幸せだったのではないでしょうか。
しかも、連続タイトルを置き土産に移籍というのは、シューマッハと同じ軌跡。
(チーム・シューマッハという感じだったフェラーリと、
 アロンソが身一つで乗り込むマクラーレンとは全く別物ですが)
これでマクでタイトルが取れるかどうかで、
アロンソが「ただのチャンピオン」か「偉大なチャンピオン」か、評価が決まるのでしょう。
ライバルとして、ライコネン・バトン・ハイドフェルドといったところに期待したいです。