「のだめカンタービレ」17巻。

さてさて、13日に出ました「のだめ」の最新刊。
すっかり今月発売なのを忘れていたにもかかわらず、うまい具合に発売日に買えたのですが。
…むーん、感想が書きづらいあるな。
なんかこう、重いんですよね。これまでとは異質な重さ。

「千秋が失敗する」シチュエーションはこれまでにだってあったけど、
同じ失敗でも、今回の失敗は明らかに質が違います。
これまでは、「音楽にいかに正面から向き合えるか」と、
「集団がいかに一つの方向性を共有できるか」に比重があって、
突き詰めれば「音楽と私」に集約される問題でした。

これに対して、今回は「父と子の関係」というものが前面に出てきました。
この問題はこれまでもストーリの中で常に伏在していましたが、
それが今回、わりと唐突に前面に出てきたわけです。
ベタな展開と言えなくもないですが、だから解決が簡単かというと、決してそうではない。
子が父といかに向き合うのか、父が子とどう向き合うのか、
そして父と子の関係がどこに行き着くのか。
お手軽な解決を持ち出せば、それだけでこれまでやってきたことが台無しです。
この巻ではしばしば「正念場」という言葉が出てきましたが、
実のところ、正念場を迎えているのはのだめでも千秋でもなく
作者とこの作品そのものなんじゃないのかな~、と私には思われます。
うまく言葉にしきれませんが、今のところはそんな感想です。