「顔見世」の話。

昨日は丸太町~四条~河原町~三宮という経路で動かないといけなかったのですが、
「そういやそろそろ…」と思ったので、ほんのちょっと寄り道してパチリ。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/a5/64/historian126/folder/347242/img_347242_50729022_0?2007-11-30 23:18:46
京都・南座の「まねき」です。
そう、今日から南座では吉例顔見世興行が始まっております。

えー、そもそもですね。
現在、いわゆる「歌舞伎役者」と言われる人たちは、みんな「松竹」という会社に所属しています。
松竹は歌舞伎の他に、映画や松竹芸能よゐこかますだおかだとか安田大サーカスとか)
でも有名な会社ですね。
(創業者である白井松次郎大谷竹次郎兄弟の名前の2文字を取って「松竹」)

ところが、江戸時代の歌舞伎は「○○座」といったいろいろな座がそれぞれ興行を行っていて、
役者さんたちはみんな、一年単位でそれぞれの座と契約して、
一年間はその座の公演だけに出ていました。
現代風に言えば、たとえば「キムタクの演技が見られるのは○○座だけ!」といったところ。
で、毎年その契約更新を11月にしてたんですけど、移籍する役者さんとかもいるわけで、
「来年のうちの役者さんのラインナップはこうなります!」
とお客さんにお披露目するのが顔見世興行だった、というわけ。

だから、今では歌舞伎の興行は松竹の独占なので、本来の役割はなくなったんだけれど、
毎年の恒例行事として残ったのが顔見世だ、ということになります。

ところで、この「まねき」の並びってどういう順序になってるんですかねー。
とりあえず「坂田藤十郎」が上段右端だったんで、そこを入れて撮ったんですが。

ちなみに、今年の演目はこちらです。
第一 将軍江戸を去る
第ニ 歌舞伎十八番の内 勧進帳
第三 義経千本桜
第四 二人椀久

夜の部
第一 梶原平三誉石切
第ニ 寿曽我対面
第三 坂田藤十郎喜寿記念
   京鹿子娘道成寺
第四 天衣紛上野初花
第五 上 三社祭
   下 俄獅子
うーん、中世前期研究者としては垂涎のラインナップ…。
見たいのは山々なんだけどなー。