廃れゆくものへのバラード。

ついに来るべきものが来たか、という感じですが…。

JR:ブルトレ「銀河」など廃止--ダイヤ改正
 JR西日本などは20日、来年3月15日のダイヤ改正を発表した。「ブルートレイン」の愛称で親しまれた関西発着の夜行寝台列車3往復が廃止される。利用者減と車両の老朽化が理由で、これで関西発着の九州方面行きブルトレは皆無となる。また、東海道・山陽新幹線は、東京-広島間の「のぞみ」の本数を増やし、毎時3本運転にする。すべての「のぞみ」と「ひかり」を品川と新横浜に停車させ、それぞれ停車本数を約1・5倍にする。

 廃止されるブルトレは、寝台特急なは・あかつき」(京都-熊本・長崎)▽同「日本海2、3号」(大阪-青森)▽寝台急行「銀河」(大阪-東京)。新幹線の高速化や飛行機利用者の増加に加え、値段の安い夜行バスの登場で利用者が減少。最近の乗車率はいずれも定員の3~4割だった。関西と九州を結ぶブルトレは、今改正で「はやぶさ・富士」(東京-熊本・大分)だけとなる。

 一方、大阪府東部を縦断する新線「JRおおさか東線」(放出-久宝寺)が、改正に合わせて開通することも決まった。【小林祥晃

そうかー、とうとう「銀河」は廃止されちゃうんだ…。
まあねえ、そもそもが「急行」も「夜行列車」も絶滅危惧種だもんなあ。
「夜行列車」でありつつ「急行」である銀河が生き残ることができるとは思ってはいませんでしたが、
いざやはりなくなるとなると寂しい。

「銀河」はこれまで私が唯一乗った寝台列車であり、かつ唯一乗った急行列車です。
もう6年前になりますが、平泉に旅行した時に、行きに「銀河」→東北新幹線という経路を使いました。
もちろん飛行機の方が速いのですが、実はこっちの方が安くてかつ時間効率もいいんですよね。
というのは、当時は博士課程一年目だったんですが、往復JRだと学割2割引に加えて、
往復割引1割引(片道600kmを越える往復切符に適用)が付くのがまず第一の理由。
加えて、実は急行列車には「新幹線と急行を乗り継いだ場合、急行料金は半額になる」という
乗り継ぎ割引制度があるんですね。
そんなこんなでかなりお安くなる上に、飛行機の場合にはない「途中下車のお楽しみ」もある。
…まあ「結局のところ、「銀河」に乗ってみたかったんだろう」というのは否定しませんが(笑)。
実際問題として、寝台といってもあんまし寝られませんでしたけどね。
乗り慣れなかったから余計だったんでしょうけど(あるいはワクワクして血が騒ぎすぎたか…)。

結局のところ、現在においては条件に合わせて飛行機・新幹線・夜行バスを組み合わせるのが
論理的には最適の移動手段です。
夜行列車が生き残るのは、「朝早くに到着したいのだが、夜行バスでは遠く、始発の飛行機では間に合わない」
という特異なケースを除けば、「トワイライトエキスプレス」のように、
「豪華寝台車で旅行すること」そのものが目的化した場合のみでしょう。
その意味で、夜行列車は「海外旅行における船旅」と似たような位置付けで生き残るのかもしれません。
それは一方で、人間は夜行列車での旅行に、船での旅行に通じるロマンを感じるということだと思います。
個人的な経験を思い返しても、「夜の車窓」には格別の旅情があるように思います。
だからきっと、たとえ合理的な移動手段ではなくなったとしても、
寝台列車が完全に絶滅するという事態は起こらないだろう、と私は思っているのですが。

私が物心ついた時に走っていた関西の寝台急行は、
多分「銀河」・「だいせん」・「きたぐに」・「ちくま」の4つだったと思うのですが、
「だいせん」・「ちくま」はすでに亡く、残るは「きたぐに」のみとなります。
きたぐに」は案外使い出がある列車なようで、まだしばらくは安泰なようですが。
前から「「きたぐに」に乗って弥彦神社春日山城に行く」というのが野望なんですけど、
いつかそのうち、と思っているうちに、列車がなくなるなんてことになりかねませんね。
本気で実現に向けて動き出そうかな~。
そういえば、いつのまにか関西本線の急行「かすが」もなくなっちゃったし…。