今市子『百鬼夜行抄』10。

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先日本屋さんで、新刊が出ているのを発見。
連載も追っかけておらず、単行本でも買っていないので、文庫本の新刊ということですが。

なんかこう、開おじさんが帰ってきてからというもの、ストーリーの軸がかなり動いているような。
(正直、こんな霊感ファミリーはイヤだ 笑)
まあ、かなり無茶する懲りないオッサンなので(大人の火遊びではなくただの火遊びだよ、あれ)、
こういうキャラがいるとストーリー的にはどうしても焦点が当たってしまいますが。
付随して、律のキャラクターもかなり変わってきているような。
最近の青嵐の使い方はかなり反則っぽいです。
なんだかんだでおじさんの人格的汚染力が大きいのか?

で、司ちゃんの登場回数がめっきり減りました。
彼氏とはうまく行ってるんでしょうか?(というか、結局あれは彼氏なのか?)
最近は特に霊的トラブルにも巻き込まれてないみたいですし、本人的にはめでたいことなのかも。

人間模様という部分では、三郎さんと晶ちゃんが軸ですよね。
三郎さんはとうとうニワトリになってしまいましたが、
晶ちゃんはほんとに気付いていないのか、気付かぬ振りをしてるんだか…。
だって、ニワトリの名前が「北島三郎」っておかしいだろー、普通(笑)。
個人的には、執着はあるけど欲はない三郎さんのキャラはかなり好きなんで、応援してるんですけどねー。
(追記。
 読み直してて気付いたんですけど、晶ちゃんが律に向かって
「いとこ同士でも法的には結婚できるんだし、四十になってもお互い独身だったらさ…」
 と言ってる時に、三郎さんは「ええっ!!」ってなってるんですね。いいなあ。)

あとはこの巻で言えば、尾白と尾黒がお客さんの女の子を歓待する場面が最高。
「どうも姫のお顔が違うような…?」って、全然違うだろーが!(笑)
相変わらずいい加減な二人です。でもそこがかわいい。


それにしても、『百鬼夜行抄』といい、『宗像教授異考録』といい、
世間的には民俗学に対するイメージってどういうもんなんだろう、と
他人事ながらちょっと心配してしまいます(笑)。