勘弁してくれNHK。

その時歴史が動いた 第350回「武者の世になりにける」
放送の概要については公式HPをどうぞ。

…誰かNHKの製作スタッフに、院政期の武士について小一時間説教してやって下さい。
いや、あの、すっごいむなしい行為だとはわかってます、はい。
仕事から帰ってきて、40分番組のラスト10分だけ見ましたけど、
それだけでもう何度も何度も頭を抱えましたよ。
だーから院政期の武士の上層部はれっきとした貴族社会の構成員で、身分的には中下級貴族で、
武士と貴族を二項対立的に描こうとするのがどだい間違いなんだってばさ。

てゆーか、いつから平治の乱の首謀者は源義朝になったわけ?
やたらと『平治物語』を引用して話を持っていこうとしていましたが、
(『平治物語』で話が済むんだったら、歴史研究者なんてはなから要らないじゃん…)
そもそも『平治物語』でも首謀者は藤原信頼だったわけで。
現行の説でも、藤原信頼は再評価されこそすれ、
こんなまるで「最初からいなかった」扱いにされる言われはないはずですが。
この番組は「源義朝は武力を以って貴族社会に君臨しようとした」なんていう
トンデモなことでも言おうとしてたんですかね?
というか、某T大准教授はまさにそういう口ぶりでしたが…。

NHKは、いったい何のためにこの本をNHKブックスから出版しているのだか。
いや、番組制作部と出版部がまったく無関係なのは良くわかってますけどね。
それにしたってなあ…。