東京バレエ団<ベジャール・ガラ>(追記しました)。

東京バレエ団ベジャール・ガラ>@ゆうぽうと 2月7日(夜公演)

ペトルーシュカ」 音楽:I・ストラヴィンスキー
青年:後藤晴雄
若い娘:井脇幸江
友人:木村和夫
魔術師:野辺誠治
三つの影:高橋竜太、氷室友、井上良太
四人の男:松下裕次、宮本祐宜、横内国弘、梅澤紘貴
四人の若い娘:森志織、福田ゆかり、村上美香、吉川留衣

ドン・ジョヴァンニ」 音楽:F・ショパン (モーツァルトの主題による)
ヴァリエーション 1:森志織、福田ゆかり、村上美香
ヴァリエーション 2:佐伯知香
ヴァリエーション 3:井脇幸江、岸本夏未
ヴァリエーション 4:西村真由美
ヴァリエーション 5:奈良春夏
ヴァリエーション 6:吉岡美佳
シルフィード:吉川留衣

ボレロ」 音楽:M・ラヴェル
シルヴィ・ギエム
平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘


いや、本来は観に行くつもりじゃなかったんですけどね。
去年の11月の「くるみ割り人形」・12月の「カブキ」とセット券で買ったのですが、
(おまけのTシャツが欲しかったからセット券を買ったのです)
ボレロ」は関西公演も見たし処分するかあと思い、ヤフオクにかけるために書き始めて、
その時点ではじめて座席を確認したら、なんとこれが「1階7列目どセンター」という超良席。
「…これは売れん」と思い直して、観に行ったのでした。
だって、ほんとにこれが最後のギエムの「ボレロ」ですよ。
それを超良席で見る機会を逃すなんて、ねえ。

さて、その超良席で見た感想ですが。
…うーん、これはある意味「悪い席」だなあ。
近すぎて、舞台全体が視野に入んないんですよね。
正直、見る機会がこの1回だけだったら後悔してたかも。
関西公演が1階席やや後方という、こちらもかなりの良席だったおかげで、
ボレロ」が始まった段階で、コーラスの男性陣を見ることを早々に断念。
ひたすらギエムばーっかり見てました(笑)。

「ギエムをじっくりと鑑賞する」という点では、実に素晴らしい体験でした。
だって、筋肉の動きとかがはっきり見えるんですもん!
もうね、なんなんでしょうね、あの身体は…。
筋肉の付き方とか、関節の動きとか、バランスとか、なんかもうあまりに完全すぎて。
腕の動きのしなやかさは遠くからでも堪能できましたが、
今回特にすごいと思ったのは、足の筋肉とその動きでした。
太すぎず細すぎず均整の取れた足、スッと180度開閉される股関節、ゆるぎない体重移動
あとはなんというか、放射される情念みたいなものに、すっかりあてられてしまいました。
表情まではっきり見て取れたもんなあ。

というわけで、最後の最後で余すところなく見届けられて、本望でございました。

ペトルーシュカ」は、実はもともとこれが今回一番見たかった演目。
3年前の大阪国際フェスティバルの東バ<ベジャール・プロ>で見て、
内容がさっぱりわかんなくて、個人的リベンジ!だったのです。
で、2度目に見た感想は、「やっぱ初心者にはハードル高いわ、これ」でした(笑)。
なんてゆーか、ある程度予備知識が要るんだと思います。
仮面と鏡の迷宮の寓意とか、
あるいはペトルーシュカ・女・ムーア人の仮面がそれぞれ象徴しているものとか。
んでもって、ニジンスキー版との対応関係と。
個人的には、2年前の東バ「ニジンスキーの伝説」でニジンスキー版をもう一回見てたのが大きかったかも。
フロイトとかラカンについての基礎知識があると、もっと深読みできるのかもしれません。

後藤さんのペトルーシュカは、なんていうか、いい感じで病んでましたね(笑)。
過去の記事を読み返したら、3年前の青年役は古川さんだったのかー。記憶にないなあ。
ほんとは金曜の首藤さんで見たかったのですが、リハでのケガで金曜も後藤さんになったんですね。
今日の「中国の不思議な役人」はちゃんと出られたようで、とりあえずは安心ですが。

娘の井脇さんは、相変わらず年齢を超越していらっしゃってステキでした。好きだな~♪♪
木村さんは、とっても健よかな感じが、病んでる青年との対比でむっちゃ良かったです(笑)。
あとは、野辺さんの人間ミラーボール…もとい、魔術師を見て、
「3年前に見た高岸さんの胡散臭さは、やっぱ別格だったんだ」と再認識(笑 もちろんほめてます)。


この日は2日連続始発電車で出かけて疲れていたこともあって、
ドン・ジョヴァンニ」は、見る前には「別に要らないかも…」とか思ってしまっていました(苦笑)。
いや、けっこう好きな演目なんですけどね。
「カンパニーの女性陣の魅力を丸ごと見せます!!」という感じの演目(笑)。
ボレロ」との取り合わせだと、
ボレロ」が「カンパニーの男性陣の肉体美を丸ごと見せます!!」という感じなのでなおさら。
とはいえ、見るのは3年ぶり(のはず)だったので、細かいところはすっかり忘れてましたが。
キャストを見たときは「なんで井脇さんがこの順番?」と思ったのですが、
振付をみて納得。あれはプリンシパル級の人じゃないと無理ですよね。
ちょっとラテンなノリの西村さん、チアっぽい感じの奈良さんときて、
「真打ち登場!」の吉岡さんで撃沈ですよ(笑)。やっぱいいよなー。
最後に登場する舞台さんは、本物の舞台さんなんでしょうかねー。