今回の男子フィギュアの採点の話(追記)。

この記事では、とりあえず「今回の五輪の採点結果」に限定した話を書きます。
競技の採点方式そのものについては別記事で。
さしあたり、「Pちゃんに対するポイントが甘すぎだろう」という意見については賛成(笑)。

で、ライサチェックの点数について考えるために、
とりあえずはライサとプルの点数比較をやってみます。
まずはTESの比較。

ライサ 基礎点74.93+GOE→84.57
プル  基礎点75.03+GOE→82.71

そもそも基礎点が-0.1しか違わないし、
GOEで言えば全13要素で合計+1.96、1要素あたりで言えばたったの0.15ポイントです。
ライサはリアルタイムで見たときは全部クリーンにこなしたように見えましたが、
減点されてる要素も2つありますよね。
対してプルシェンコは減点要素は1つだけです。

「4回転を入れてないのに基礎点があまり変わらないシステムがおかしい」とか
「4回転を入れた演技と入れていない演技のGOEを同じ基準で測定するのはおかしい」
という批判なら成り立つと思いますが、
「ライサがGOEで優遇された」という批判には無理があると思いますね。
スピン・ステップの判定にしても、
ライサがプルより相対的に上回っているのはスピン・ステップが1個ずつで、
見ててもまあそんなもんだろうと。
(というか、個人的には「プルのあのスピンでLV4取れるんだ」と思ったくらいだったし)

PCSに至っては、あの演技内容で同点ですよね。
あえて言えばプルの「つなぎの要素」だけが爆下げされてますけど、
まああの演技ならそうだろうなと思いますし(笑)。

結局ね、ライサは「現行の採点方式にむっちゃ適合的なプログラム」を組んできて、
かつ「4回転をクリーンに跳んで、他の要素も高いレベルでまとめてきた選手がいなかった」という
(ある意味では非常に不幸な)状況が生じたせいで勝ってしまったんだと思うんですよ。
でもそれってしょうがないですよね、採点で相対順位が決まっちゃう競技なんですから。
高橋くんが4回転を決めてても優勝できていなかったり、
ランビの4回転がクリーンでもフリーが1位でなかったりしたらさすがに不満だったと思いますが、
仮定の話をしたって仕方のないことですし。

僕はその意見に組しませんが、
仮に採点システムに問題があるとしても、
仮に「地元上げ採点」があったとしても、
ライサチェック個人には何の非もないし、
ライサチェックの名前を出す形で批判を行うことには賛成できません。

(追記)
「全体のレベルが下がったから、ライサチェックの演技でも金メダルが取れた」
という評価なら、まあ賛成しますかね。
個人的に、フィギュアスケートの競技レベルはソルトレイクの時に飽和したと思っているので。
ただ、それは採点システムの問題ではないと思いますし、
ましてライサチェック個人が責任を負うようなことではまったくないと思います。
詳しくは別記事をどうぞ。http://blogs.yahoo.co.jp/historian126/59563516.html