「法然 生涯と美術」@京都国立博物館。

今年は法然上人800回忌・親鸞聖人750回忌ということで、それぞれの特別展が行われております。
で、「法然 生涯と美術」の方の京都での会期が明日までで、
ああこれは行けないかな~と思っていたのですが、
昨日調べ物のために大学の研究室に行った時に、
そういえば今日は金曜だから開館時間が8時まで延長になってるな…と気付いて、
ちょっと早めに切り上げて、閉館1時間弱前に駆け込みで見て来ました。

非常に面白い展示で、しみじみ「法然上人絵伝」は偉大だなあと(笑)。
いや、もちろん法然その人が非常に面白い人物なんですけど、
その面白さを伝える上で、絵巻物という視覚的に訴える素材でストーリー構成できるというのは、
やはり非常に大きいと思うのです。
他にもたくさんの品が展示されていて、もっとゆっくり見たかったです。残念。
史料とかはほとんど本文を追っている余裕もありませんでしたし。
東京でも秋にありますが、行かれる方はぜひ余裕をもってじっくりとご覧になってください。

ちょっと物足りなかったのは、もうちょっと専門的なところに解説がほしかったかなあ、と。
たとえば、解説文に「行道」と書いてあるのを見て、
どういう修行かパッとわかるかというと、多くの人にはやっぱり難しいんじゃないかなーと思います。
まあそこらへんは、文章を書くスペースの問題とかもあって、なかなか難しいところなんでしょう。
仏教系の展示に限らず、たとえば西洋の絵画展なんかでも、
キリスト教ギリシャ神話のモチーフについて、どこまで説明するかというのは難しいでしょうし、
この辺は宗教関係の展示ではつねに大変なんでしょうね。

余談ですが、現代でも大師号って贈られてるんですね。
知恩院HP「法然上人 大師号奉戴のお知らせ
天皇陛下より、元祖圓光東漸慧成弘覺慈教明照和順大師法然上人に対しまして、法爾(ほうに)大師の徽号が加諡され、平成23年3月16日(水)午前9時30分宮内庁にて羽毛田宮内庁長官より総本山知恩院門跡・浄土門主 伊藤唯眞猊下に伝達されました。
ふーん、これって「個人としての行為」ということなのかなー。

それにしても、宗門の方と思しきお客さんがさすがに多かったです。
親鸞展の方も見に行かないとな~。