『ヒストリエ』8。

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今年の夏は多事多端で、気が付けば9月になっていました。
そのうち遡って書くこともあると思いますが、とりあえず最近買ったもののレビューを。
8月下旬から9月上旬にかけて、いろいろ新刊がバタバタと出たんですよね。
先に「買わなかったけどびっくりしたもの」の話をしておくと、
里中満智子『天上の虹』の新刊(22巻)が出ててびっくり。
4年ぶりの新刊らしいので、次は4年後ぐらいに最終巻が出るんでしょうか。

で、まずは岩明均ヒストリエ』の第8巻の話題をば。
ストーリー的には「進まんなあ」の一言(苦笑)。
「机上の名将」エウメネスマケドニア軍の実戦を経験した、というところが本巻のポイントでしょう。
なんだったかで優秀な指揮官の条件として「事に臨んで独断専行ができる」というのを読んだことがありますが、
エウメネスも見事な独断専行をやってのけます、しかも文句のつけようがない形式を調えて。

あと、エウメネスとエウリュディケとがいい仲になりましたが、
岩明均作品の主人公は、だいたいみんな女性に不自由しませんね(笑)。
このあたり、なんとなく村上春樹作品の主人公と双璧という感じが。
もっとも、エウリュディケはこの先フィリッポスの妻になるので、
(ネタバレ…と思ったら、すでに5巻で王妃としてのエウリュディケが出ていることに、読み返して気付きました)
またエウメネス不本意な別れをすることになるのかなあ、と。
のちのちフィリッポスが死んだときに、このあたりの伏線が生きるのでしょうが、
さてそれはいつのことになるでしょう?
作中の時間は現在紀元前339年で、フィリッポスが死ぬのが紀元前336年ですから、
そう先のことにはならないような気もするのですが、その間にカイロネイアの戦いが入るからなあ。
デモステネスとフォーキオンが登場したのは、その前振りなんでしょう。
フォーキオンはいいキャラですね!アレクサンドロス死後のアテネでもキーマンになるはず。

というわけで、とりあえず続きに期待、というところです。