東京国立博物館・国立科学博物館。

さて、東京には夜行バスで朝7時前には着いたわけなので、「最後のボレロ」開演までにはかなり時間があります。
そこで、午前中は博物館巡り。
お目当ては東京国立博物館国立科学博物館です。

東京国立博物館での主目的は、一応「北斎展」。
別に近世を専門にしているわけでもないので、そこまで心魅かれたわけでもないのですが、
まあ折角だし見ておこうかと。
後輩に、「人がメチャメチャ多いですから、朝一番に行った方が良いですよ」と忠告されていたので、
開館前の9時過ぎには着いたのですが…なんでこんな時間から長蛇の列なんすか??
見る前からちょっとげんなり。

展示自体は面白かったです。
さすがにあれだけの作品が一同に会すると圧巻ですねー。
富嶽三十六景も、それなりにじっくり見れたし。
個人的にこれが見れて良かったというのは、「百物語」の、特にお岩さんですかね。
有名な、お岩さんの霊がちょうちんに乗り移ってるやつです。
あれ、でもなんでお岩さんがちょうちんに乗り移ってるんでしたっけ??北斎の独創?
怪異学会の掲示板で訊いてみようかな…。

あと、版画の作品が思っていたより小さかったことが印象的でした。
考えてみれば、版木の大きさの問題とか、用途の問題(基本的に個人が家で楽しんだり、
冊子本の挿絵になったりするわけで)を考えれば、小さくて当たり前なのですが。
でも、教科書の図版なんかだと、西洋のそれこそ壁面いっぱいになるようなどでかい絵も、
こういう小さな作品も、同じおっきさですもんね。
まあそういったことを体感できるのも、現物を見る楽しみではなかろうかと。

で、展示作品数が多かったのでかなり時間がかかって、
休憩しながら見ていると出てきたのは12時前だったのですが、
折角だし常設展も見ておこうかなあと本館へ。
へえ、「特集陳列 典籍 ―古写本の魅力―」なんてやってるんだ~。
…なにー、すごいいい物出てるじゃん!!
「群書治要」「延喜式」「医心方」「本朝文粋」「古本説話集」「源氏物語」などなど。
いやー、すごい幸運。ほんといいものが見れました。
特集陳列では、「武芸 ―鷹狩、犬追物―」も良かったです。
他の普通の常設展示もなかなか良くって、じっくり見る時間がなかったのが残念でした。
ただ、致し方ないこととはいえ、彫刻のとこの展示品が全部関西の仏像だったのはちょっと何だかなあ(苦笑)。
そういやこないだ行った時に「東京国立博物館に出品中」ってなってたなあ、とか思いながら、
浄瑠璃寺広目天像を見ていました。
思えば、唐招提寺の鑑真和上像も東京国立博物館で見たのでした。
なんかちょっと間違ってる気がする(苦笑)。

その後は、お昼ごはんをお弁当で済ませて、東京文化会館のお向かいの国立科学博物館へ。
お目当ては、「フーコーの振り子」と、「仁科芳雄と原子物理学のあけぼの」展だったので、
特別展の「パール」展は時間の都合上パスしたのですが…
フーコーの振り子」は、本館が全面改修中で見られず。しくしく。
新館で「フーコーの振り子」の場所を聞いたときの、係員の人の申し訳なさそうな顔といったら。
そりゃあまあ、普通はこんなものをピンポイントで見に来る人っていませんよねえ、やっぱり。
で、結局「仁科芳雄と原子物理学のあけぼの」展も時間切れパスと相成りました。残念。
でも、新館もなかなか楽しい展示でよかったです。

特にこういう科学系の博物館に行った時に、子供とか同世代の人がいっぱいいると、
なんとなく嬉しくなります。自分が別に少数派じゃないんだと安心するからでしょうか(笑)。
いや、でもほんと、文系理系を問わず、好奇心を満たしてくれる場所として、
博物館にはこれからも頑張って欲しいなあと思います。