公聴会。

うちの学科には「公聴会」という制度があります。
こう書くとなんだか国会審議みたいですが。
公聴会は、修論提出後に提出者全員が内容を報告する会で、
持ち時間は一人30分(報告20分・討論10分)、一応公開です。
たいていの場合、聞きに来る人は同じ研究室の院生と主査・副査の先生程度なのですが。
割と理系的な発想の制度ですよね。
うちの学科は文理並存の学科なので、理系にあわせたのでしょう。
文系だと、この発表時間では史料を読んでる暇がないのが難点。

で、全員の分を1日で全部やります。
ゆえに、ものすんごいハードスケジュール。
13教室を会場に使って、9時から5時半までぶち抜きです。
いやね、報告者は自分の時間だけ集中すればいいし、
聞きに行く側は聞いてりゃいいだけだからまあ楽なんですよ。
大変なのは先生方。
うちの研究室からは今年は4人も修論を出したので(例年だと多くて2人)、
その分の審査は全て付きますし、プラスアルファで副査の分が付く。
審査するのは公務なので当然といえば当然なのですが、
他の学部だったらたいてい試問だけですからねえ。
公聴会とは別に、試問もちゃーんとあるのです)
ご苦労様です。

で、今年のうちの研究室のみなさまは、無事に全員提出されたようで何よりです。
(あ、でも一人そういえば休学中で出してないや)
博士に進めるかハラハラしている人、就職が決まってホッとしている人と色々ですが、
まずはお疲れさまでした。
進学希望のお二人のタイトルは、
後鳥羽院政期在京武力の研究」
院政期における後鳥羽芸能の位置」
と、同じ時代なのに、かたやがっちがちの政治・軍事史、かたや国文学etcとの学際研究と、
真逆の方向性で面白かったです。

全体のプログラムを見ても、およそ一つの学科とは思えないタイトルが並びます。
「東南アジア熱帯産チョウ類にみられる警告色に関する生態学的研究」
「宇宙背景重力波の観測へ向けて」
「量子スピンカゴメ格子磁性体の核磁気緩和」
「強毒・弱毒SHIV粘膜感染初期の全身臓器におけるウイルス動態の解析」
「磐梯火山の火山防災と火山教育の研究」
京都市における都市気象の解明」
精神障害高齢者の所得と需要の相関関係から見る現行医療福祉政策の評価」
低周波筋電気刺激による筋力トレーニング強化」
…などなど。
非文系的分野の研究報告だけに限定してこれですからね。
これに加えて、文系内部では言語学・女性学・心理学・社会学・宗教学・地理学・政治学…etc.
各種取り揃えております(笑)。

やりたいことは何でもできる!がうちの学科の取り柄です。
これ、学部段階では専門を決めるのが3回生でなので、ますますやりたい放題なのですが、
自由度が高すぎるせいで、学部・大学院での留年率が全学科で最悪なのだとか。
…やりたいことぐらい自分で決めようや、と正直思ってしまいます。