不屈の人。

大学から帰ってきたら、『日本史研究』の今月号が届いていたのですが…。
巻頭論文を見て、心底驚きました。
というのは、うちの大学の近代史のT先生の御論文だったからです。

T先生は、今年の1月にご病気でお亡くなりになりました。
療養をされていたのは前から知っていたのですが、まだお若かったので、
きっとまたお元気になって戻って来られるだろうと思っていました。
事実、去年の七月に出た『史林』には、先生の御論文が掲載されていて、
ご病気なのに論文が出るなんてすごいと思ったし、そこまで回復されたんだと喜んでいました。

それが、1月に急にお亡くなりになられて、正直ショックでした。
時代が全然違いましたし、大学院になってからは所属が変わったので指導は受けませんでしたが、
学部時代には演習にも出させてもらい、指導をしていただいたので。
ちゃんとご葬儀にも参列してきました。
それで、7月に出た論文が最後になってしまわれたんだなあと思っていたのです。

が、なんと今月の『日本史研究』に先生の御論文が出てるじゃありませんか。
編集後記を見ると、どうやら論文の採用決定後に先生がなくなられて、
他の方と編集委員で校正を行ったということらしいです。
これが遺稿になられたわけですね…。

お亡くなりになられるまさに直前までご研究を続けられていたわけで、
もう本当にすごい方だったとしか言いようがないです。
そして、本当に残念で悲しい。
今はただただご冥福をお祈りするばかりです。
先生みたいな立派な方の指導を受けることができて幸せでした。