東寺。

月曜日は東寺と清水寺に行ってきました。
前期に色んな所に行って、講義に使う写真を撮って来ましたが、
近場はなんか後回しになっちゃったんですよね。
有名どころだから、ネットにもいっぱい写真は落ちてるし。

というわけで、まずは東寺（教王護国寺）から。
・五重塔

五重塔は高さ５４．８ｍで、木造の塔としては日本一。
現在の塔は１６４４（寛永２１）年に徳川家光が再建したものです。

・講堂

ここの２１体の仏による立体曼荼羅はいつ見ても圧巻です。
配置がまた実に上手いことできてるんだよなー。
中央に五智如来、右に五大菩薩、左に五大明王、両端に梵天・帝釈天、四隅に四天王像。
うち１５体が国宝。クラクラします。
「何体か他所にご出張」ということもしばしばあるのですが、月曜は勢ぞろいでした。

・金堂

建物は国宝ですが、本尊の薬師三尊像は後世の物。
講堂が建物は再建・仏像は多くが平安仏なのとはちょうどさかさま。

・大師堂

「東寺で一番重要な建物」とも言えます。
真言宗って、ある意味でものすごく個人崇拝の宗派ですよねー。

・宝蔵
あんまり知られてませんが、東寺の宝蔵は校倉造です。
周りの濠にはハスが一面に。

・鎮守八幡
これまた一般にはあまり知られてませんが、中世史をやってる人にはおなじみ。
論文では使ってなくても、演習等でここの引付にお世話になった人は多いはず。

宝物館の秋期特別展は「東寺と密教の伝承」だったんですが、
見るだにつけ、やっぱ空海って時代の要請に実に合致した天才だったのだなー、と。

　２０代前半まで大学寮で儒教を勉強していた人が、
　記憶力アップの修法「虚空蔵求聞持法」がきっかけで仏教にハマる、

というのもなかなか異色の経歴ですが、その後

　８０４（延暦２３）年の第１８次遣唐使で入唐
→長安で中国密教の正統の伝承者恵果と出会い、わずか三ヶ月のうちに後継者とされる
→空海に伝法灌頂を行った直後に恵果死去
→８０６（延暦２５）年、たまたま中国に派遣された日本の使者と帰国。
　※２０年の予定を３年で切り上げた

なんかこう、「この人の前におのずと道は開くのか」と言いたくなります。
いるんですよねー、こういう人。
平安浄土教→鎌倉新仏教と思想的に広がっていくのが最澄の天台宗だったのに対し、
真言宗は空海の時点である意味完成してしまって、弘法大師信仰を生み出したという対比は、
なかなか面白いです。
（あくまで門外漢的なヨタ話ですからね、あんまし真に受けないで下さいね。　笑）

ところで、私、実は東寺には７００回以上行ったことがありまして…。
通ってた高校が東寺の中（ほんとに中）にあるんですよ。
毎日毎日通ってると、親しむ一方でありがたみは薄れるのが世の常なわけで。
観智院なんて毎日横通ってたのに、国宝だって知らなかったし（苦笑）。
久しぶりに見る母校は、校舎が建て替わってて「なんじゃあこらあ～」状態でした。
かつて校舎があった場所がグラウンドになり、かつてのグラウンドが新校舎に。
…これって伊勢神宮の式年遷宮と同じやり方ですね（笑）。
きっと共学化したときに建て替えたのかなー（女子トイレとか増設しないといけないし）。
女子の制服とか見てみたかったんですが、残念ながら見られず。
↓これが新校舎。でかすぎて入り切らねー。