「絵解き研究の現在」@日本史研究会。

今日は日本史研の例会でした。
メインは西山克先生の「熊野観心十界図とはなにか―朝鮮仏画「甘露幀」の受容をめぐる精神史―」というご報告。
絵画史料を用いた研究というのは、自分にとってこれまでやったことがないし、
今後やることもないだろうと思うのですが、それだけにとても新鮮で面白かったです。
まあ、絵画史料を扱った研究であっても、
「梵唄をBGMに絵解き的に解説を聞く」という報告はそうそうないと思われますが(笑)。
西山先生による解説はぜひ一度聞いてみたかったので、念願かないました。

「デザインの共通性」という事象をまず指摘し、そこに後付けの格好で論理的に説明する、
という手法になるので、全てを包み込む論理を構築するのはなかなか難しいわけですが、
「コンテキストから切り離され移入されたものが、翻案や誤読によって新たに展開する」
という枠組みは、非常に面白かったです。
「超歴史的」という言葉が出ていましたが、要するに文化移入の形の一つの王道パターンということですよね。

連休の中日ということもあって、参加者が少なかったことがちょっと残念。
まあ、三重県美の「熊野観心十界図」の講演とも重なってしまいましたしね。
三重県美の方の展示も非常に良いらしいので、ほんとは見に行きたいところなのですが…。
(某さんに「和歌山のついでに三重に行かれるんでしょう?」と聞かれましたが、
 ついでもなにも方向が真逆ですってば 笑)
何人かの方に不在者投票的に「レジュメお願いします」と頼まれましたが、
ちゃんと余分にもらってきましたけど、わたくし非常に忘れっぽい人間ですので(悪気はないんですよ)、
会う機会がありそうなときにはあらかじめ注意を喚起して下さいませ。