角田文衛氏死去。

「古代学」を提唱、考古学者の角田文衞さん死去朝日新聞
 考古学と歴史学を統合した「古代学」を提唱し、海外の発掘調査も率いた考古学者、角田文衞(つのだ・ぶんえい)さんが14日、急性呼吸器不全で死去した。95歳だった。通夜は18日午後6時、葬儀は19日午後0時30分から京都市南区西九条池ノ内町60の公益社南ブライトホールで。喪主は長女玖賀子(くがこ)さん。自宅は京都市左京区下鴨中川原町9。 

角田文衞さん 
 福島県出身。京都大卒業後、戦前のドイツ、イタリアに留学。戦後、大阪市立大で教えた。51年に古代学協会を設立し、67年に平安博物館(現・京都文化博物館)をつくった。 
 平安京跡をはじめエジプト・アコリス、イタリア・ポンペイの各遺跡の発掘調査を手がけた一方、紫式部清少納言ら平安女性文学の独創的な研究など、業績は多岐にわたる。京都の冷泉家の典籍・古文書類のリストづくりと財団法人化などにも尽力した。 
 著書に「古代学序説」「平家後抄」「ヨーロッパ古代史論考」、編著・監修に「古代王権の誕生」などがある。 

言わずと知れた大先生で、もちろん直接お会いしたことはありませんが、後進として多大な学恩を蒙りました。
歴史をやっている人間なら、専門が古代・中世でなくとも、
一度は必ず『平安時代史事典』のお世話になっているでしょう。
ことに、私は専門が平安時代なので、先行研究として、いくつも御著書を読んできました。

歴史学・考古学・国文学と、3つの分野にまたがって、
多大な業績を個人で残されているのも、これまたすごい。
研究の進展した結果とはいえ、研究の細密化が進む現在では、もはや考えられないことです。

心から、ご冥福をお祈りします。