Sing!

sing, sing a song
sing out loud
sing out strong
sing of good things, not bad
sing of happy, not sad

このブログを始めた頃、僕はとある合唱団で歌っていたのですが、
始めた直後ぐらいに、どうにも余裕がなくなって、合唱団をやめてしまっていました。
レッスンは毎週金曜日だったのですが、やめてからは金曜日に塾の仕事を入れたので、
ここ数年はレッスン会場に顔を出すこともありませんでした。
演奏会があるときや、演奏会直前の休日のレッスンに手伝いには行っていましたが。

ところが、去年の10月から学会の仕事が隔週で金曜日に入った関係で、
金曜日の塾の授業は火曜日にまるっと移し変えてしまい、
ひょんなことから金曜日は隔週で予定が空くことになりました。
で、うちの合唱団は毎年1月と7月に団員を募集するので、
今日は久しぶりに合唱団のレッスンに顔を出したのです。

ほぼ4年ぶりで、ちゃんとレッスンに加わって歌ったのですが…楽しかったなぁ。
まずもって、声を出して歌を歌うというのは、それだけでどこかしら人の心を高揚させるものがあります。
というより、何かしら歌い手の心が動いていないと、歌は歌たりえませんから。
そして、合唱は一人で歌うのとは違って、指揮者の棒を見て、伴奏を聞いて、
他のパートの声を聞いて、一つのハーモニーを作り出さなくてはいけません。
そりゃあまあ、周りが失敗してイラッと来ることももちろんありますが(笑)、
まあそれはそれ、たくさんの人間が集まって一つの音楽を作り上げる共同作業というのは、
やっぱり独特の喜びや楽しみがあります。
それはもちろんバンドやオケの合奏の楽しさと共通するものですが、
僕みたいな耳コピーが頼りのへっぽこアマチュア音楽愛好家にとって、
「始めるのに元手がかからない」というのは実にありがたいです(笑)。
なんたって、歌うだけなら身一つがあればいいわけですからねー。

曲がまたいいのです。
モーツァルトの『レクイエム』。
これまで何度か演奏会で歌ったことがありますが、歌えば歌うほど「いい曲だなー」と思います。
いわゆる「三大レクイエム」と呼ばれる作品では、深い静謐な世界のフォーレも、
華麗で壮大な世界のヴェルディも、もちろんどちらも大好きなのですが、
個人的に一番「歌いたい!」と思うのは、華麗さと荘重さとを兼ね備えたモーツァルトです。
あるいは、フーガの形式的完成と革新性の併存に見られるような、
古典と近代との境界線上に位置する面白さという点でも。
なんてったって、天才最後の入魂の一作ですしね。

というわけなのですが…。

問題は、「歌いに行こうと思えば行けなくもない」ことなんですよねー。
これまでは仕事の都合でどうにも歌いに行けなかったので、
きっぱりさっぱり諦めがついて、かえって良かったのです。
歌いに行けるとなるとねえ、やっぱり行きたくなっちゃいますよねえ。
4年前に比して、置かれている状況がさほど改善されたわけでもないので、
歌いに行ったらそれはそれでしんどい部分も出てくるのは目に見えているわけです。
んで、演奏会があるのは7月なのですが、今年は秋に一つ仕事が控えていて、
それまではいろいろと精神的にも時間的にもきっと余裕がないこともわかっている。
一方で、だからこそ何か息抜きが必要な気もするし…。

選択肢としては、
1 入団して演奏会にも出る
2 入団してレッスンには出られるだけ出るけど、演奏会は諦める
3 入団しない
の3通り。
…1は現実的には難しいだろうなあ。
2が最善かとも思いますが、2を選ぶと結局1に行き着いてしまうような気もするし。
となると、やっぱりきっぱりさっぱり諦めて3なのかなあ。

まだしばらく猶予はあるので、もう少し考えてみるとします。
ああ、でも歌いたい。