鹿谷寺跡(竹内街道を行く その3)。

えー、当麻寺のレポを書いた後はたなざらし状態になっていた、竹内街道のレポの続きです。
基本的に太子町に抜けてくるまではただの道なんですが、
県境を越えて大阪府に入ってしばらくしたところで脇にそれると、鹿谷寺跡という国史跡があります。
(鹿谷寺は「ろくたんじ」と読みます。京都だとついつい「ししがたに」と読みたくなりますが…)

またこんな道です…(笑)。
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で、山頂の手前にやや平坦なスペースがあって、そこが鹿谷寺跡。
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写真では伝わりにくいかなーと思いますが、
これがちょっとエキゾチックな雰囲気で、なかなかグッと来るものがあります。
どうエキゾチックかというと、このあたりはもともと凝灰岩の石切り場で、
凝灰岩があちこちにゴロゴロしてるんですね。
山岳寺院は日本中いろいろとありますが、ここは数少ない石窟寺院の跡なのです。
なんというか、ちょっとシルクロードな感じ。
太子町の解説ページがありますが、あんまし情報もなさげな様子ですね。


こちらは現存する十三重石塔
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十三重石塔自体は、これまた日本国中数多くありますが、もうこれは明らかに異質。
現存する奈良期の十三重石塔というのもかなりレアだと思いますが、他に類例はあるんですかねえ。


寺跡からさらにもうちょっと登ると、展望台があります。
こんなところです。
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道を見ればわかる通り、もうほとんど山全体が凝灰岩の塊なんですね、きっと。
ものすごいごつごつ感です。

登り切ると、西に大阪平野が見下ろせます。これはさすがに交通の要衝ですねえ~。
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逆に、北東の方を見上げると、二上山が。
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実は二上山の方から越えて来るルートもあって、
途中に「岩屋」と呼ばれるもう一つの石窟寺院の遺構があったりします。
こっちのルートにすれば良かったかな?とちょっと後悔していたんですが、
これだけ立派な山だと、それだけで一日仕事になっちゃいますね。
この日は太子町の史跡もいろいろ回りたかったから、竹内街道で良かったのかな~。
また機会があれば、こちらのルートでもいいかも。

そんなわけで、実に面白いところでした。
竹内街道を歩かれる方にはぜひオススメです。