前回の「
本興寺」の続きです。
尼崎の寺町には九つの寺院が現存していますが、
重要文化財に指定されている建造物としては、前回紹介した
本興寺開山堂・方丈・三光堂のほか、
長遠寺本堂・多宝塔があります。
長遠寺は寺伝によると1350年(観応元)に日恩を開基として建てられた寺院で、
もとは七ツ松にあったものが尼崎に移転したものとされています。
棟札から、本堂は1598年(慶長3)の建立(1623年再建)、
多宝塔は1607年(慶長12)の建立であることが判明しており、、
近世初頭の本堂と塔が残る貴重な遺構として、セットで
重要文化財に指定されています。
前回の
本興寺もそうですが、尼崎のような
工業都市で
こういう歴史的建造物が現存しているというのは意外です。
意図的に破壊されなくても、太平洋戦争時の空襲被害を受けた都市も多いですから。