「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」@京都大学総合博物館。

前から気になっていた展示だったのですが、行ってみるとなかなかすごかったです。
公式HPはコチラ

フィレンツェウフィツィ美術館といえば、
プリマヴェーラ」「ヴィーナスの誕生」「ウルビーノのヴィーナス」「受胎告知」といった
ルネサンス期絵画の傑作などなどを所蔵している素晴らしい美術館ですが、
それらの傑作を最先端のデジタル技術によって再現したのが、今回の展示です。
絵画そのものを見るというよりも、
今の最先端のデジタル技術がどんなもんなんかというのに興味があって見てきました。

で、そのデジタル技術ですが、これは確かにすごかったです。
壁掛けのモニターに実物大で展示されている作品とは別に、
フロアの中央にipadスマホの画面と同様の方法で操作できるモニターが置かれているのですが、
細部まで思いっきり拡大して見ることができるんですよね。
このあたりは、やはりデジタル化のメリットではないかと思います。
ちなみに、制作元の日立のHPによると、データの画素数
ヴィーナスの誕生」(縦172cm x 横278cm)の場合で103億画素だそうです。

ただ、一方で、問題はやっぱり質感なんですよねー。
どこまでいっても結局モニターのつるりとした材質で見ているわけで、
カンバスや画材の質感が感じられない分、どうしても平板に見えます。
材質の情報をどう伝えるかというのは、歴史資料のデジタル化にも言える問題なわけですが。

あと、「これはかなりモニターの性能に左右される部分もありそうだなー」と思いました。
たとえば、こうしたデータをウェブ上で公開するとして、
個人のPCの画面で見たときにどんなもんなんやろう、という問題はありますね。
そもそも、データがテラ重くてとんでもないことになるんじゃないか、とかいうこともあり、
きっと個人の利用というのは差し当たりさほど考慮してないんじゃないかとは思いますが、
それにしたって、たとえば美術館等が収蔵品をデジタル化して、
基本的にはそれで閲覧するような方向で持って行ったときに、
じゃあそのモニターの設置費はどうするの?とか、そういうことです。

というわけで、小さな展示ですがいろいろ思うところがありました。
百聞は一見にしかずと申します、興味がおありの方は是非どうぞ。
会期は3月17日(日)までです。