フィギュア・アイスダンス(FD)。

アイスダンス・FD後最終結
1 NAVKA Tatiana / KOSTOMAROV Roman RUS 200.64 2 1 1
2 BELBIN Tanith / AGOSTO Benjamin USA 196.06 6 2 4
3 GRUSHINA Elena / GONCHAROV Ruslan UKR 195.85 5 3 3
4 DELOBEL Isabelle / SCHOENFELDER Olivier FRA 194.28 7 4 2
5 DENKOVA Albena / STAVISKI Maxim BUL 189.53 3 5 5
6 FUSAR POLI Barbara / MARGAGLIO Maurizio ITA 183.46 1 10 8
7 DROBIAZKO Margarita / VANAGAS Povilas LTU 183.21 8 8 6
8 CHAIT Galit / SAKHNOVSKI Sergei ISR 181.16 13 6 7

1~4位は思ったほど差が付きませんでした。
結局5~8位に上位予想の組でミスったところが並び、残った組を実力順に並べて1~4になった、と。
ODの転倒続出でどうなることかと思いましたが、
FDは上位陣に大きなミスはなく、熱のこもった演技ぞろいでかなり楽しめました。

思うに、今日の雰囲気に点火したのはドロビアズコ&ヴァナガスの「オペラ座の怪人」。
この曲でプログラムを作る場合、誰もが最初にあのオープニングのメロディ(「ゆ~め~の~な~かで~」)
を持って来たいところな訳ですが、それをあえて外して、
”The Point of No Return”(「も~はやひけーない」)で始める発想がすごい。
で、クリスティーヌとともに消えたファントムをラウルが追う場面で流れる、
オープニングをアレンジしてさらにアップテンポにした曲で、一番盛り上がる激しいステップ。
「これほんとに4分?」と言いたくなるくらい、あっという間で、そのくせ、
4分で収まりきるはずがないと思うくらい充実した内容が盛り込まれた、素晴らしいプログラムでした。
怪人があんなにかっこよかったら、一体誰が迷うんだろう?(笑)
ちなみに、音源は映画版のやつでした。ビバ、エミー・ロッサム

フーサルポリ&マルガリオは、昨日の影響でどうなることかと思いましたが、
その緊張感がうまいことプラスに作用した感じ。
ハラハラしながら見たことは確かですが(苦笑)、でも良かったです。

デンコワ&スタビスキーは、こういう方向性にしたかったのか、というのがやっと表現されてました。
NHK杯ではそれ以前の問題という出来だったので。
やっぱり独自の芸術性追求路線という点では、随一のペアですね。
こういう抽象性を追求したようなプログラムは好きです。

逆にベルビン&アゴストは、とにかく踊りっぱなしのフラメンコ(笑)。
見ていて気持ちがいいです。いかにもダンス。
技術面でもすごく踊れているのでそこはいいんですが、
表現面では、最初から最後まで一本調子だったのがちと気になりました。
4年後はこのまま行けばこの二人の天下なので、ここが将来の課題ですね。
まあ、まだ若いから。

ナフカ&コストマノフは、手堅いプログラムを手堅く滑りきったという印象なのですが、
GPシリーズと比べて、やはり緊張感とか迫力が増していて、その分見ごたえのある演技でした。
なんというか、いやーな緊張感と安心して見ていられる緊張感て全然違いますよね。
それを人は「風格」と呼ぶのかも。
それにしても、ナフカ様が5歳児の母だっていうのは、やっぱ信じがたい。すごいよなあ…。

思うに、今回のフリーのプロを分類すると、
○ストーリー系
ドロビアズコ&ヴァナガス「オペラ座の怪人
フーサルポリ&マルガリオ「プリンス・オブ・エジプト」
ナフカ&コストマノフ「カルメン
○抽象系(コンテンポラリー?)
チャイト&サフノフスキー「ボレロ
デンコワ&スタビスキー「アダージョ
グルシナ&ゴンチャロフ「The Feeling Begins」
○正統派ダンス
ベルビン&アゴスト「フラメンコ」

っていう感じですかね。個人的にはかなり楽しめました。
デュブレイユ&ローゾンの棄権がなければ、ここでストーリー系に「いつかどこかで」が入って、
もっともっと楽しめたのに、というのだけがほんと残念。
地元カナダでの世界選手権にはぜひ出場して欲しいです。