一条能保論。

なんとなく、研究の事を全く書いていないのも気が引けるので、今日は自分の研究のことを少し。
月曜日は自分の研究発表だったのですが、一条能保をテーマに発表しました。

少し説明しておくと、一条能保源頼朝の妹婿にあたる人物で、
一応、第2代京都守護とされている人物です。
なぜ「一応」が付くのかというと、そもそも京都守護というのは同時代の史料に登場しない用語で、
かつ、機関として確立していたわけではないので、在任期間などがよくわからないからです。
純化して言ってしまえば、京都守護=その時点における頼朝の京都での代理人、というわけ。

で、今回の報告では、一条能保の動向に基軸を置いて、鎌倉幕府成立期の公武交渉を分析してみました。
私的な研究会だったのですが、このジャンルの大家である某U先生をはじめ、
先輩方がいらっしゃったので、久々に緊張しました。
反応は…どうだったんでしょう。良くわかんないですね。
個人的には、実証そのものには自信があるのですが、全体の流れの中での位置付けに苦労しています。
一言で言えば、「頼朝と後白河との関係がどうだったのか」と言う話なのですが。
「お互いに必要性は分かっていながら、足を引っ張り合う」という感じなのだと思うのですが、
これが上手く分析に活かせません。
一応半分ぐらいは書き進めていたんですが、活字化にはしばらく時間がかかりそうだなあ。