白水阿弥陀堂。

さて、2日目は水戸でシンポジウムだったわけですが、
3日目は朝から常磐線に乗ってさらに北上、福島県いわき市へ。

白水阿弥陀堂
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/a5/64/historian126/folder/1497051/img_1497051_50955240_0?2007-12-15 19:30:58
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/a5/64/historian126/folder/1497051/img_1497051_50955240_1?2007-12-15 19:30:58
JR内郷駅から西へおよそ1.5km、ただし道路は入り組んでいて、
実際には歩いておよそ2.5kmのところにある、池に囲まれた静かなたたずまいのお堂。
一般的な知名度はほとんどないと思いますが、
実はこれが、数少ない院政期建築の現存例として国宝指定を受けているすごい建物なのです。
岩城則道妻(藤原清衡女)が夫の菩提を弔うために永暦元(1160)年に建立したものとされています。

境内は浄土式庭園の形式で、こちらも国指定史跡。
全域は写真に入りきらなかったので、案内板でどうぞ。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/a5/64/historian126/folder/1497051/img_1497051_50955240_2?2007-12-15 19:30:58
こちらの地図でも形がよく確認できます。
この時期やはり池にはいろいろと渡り鳥が。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/a5/64/historian126/folder/1497051/img_1497051_50955240_3?2007-12-15 19:30:58

駅から阿弥陀堂まではほんとに普通の住宅地で、
「これでほんとに道合ってるのか?」ととても不安になりました。
お堂の近辺にもほとんどお店などはなく、逆に落ち着いた閑静なたたずまいで、それが実に良かったです。
手前の池や背後の山に囲まれたお堂は、そうした景観とあわせて本当に素晴らしいものでした。
古代・中世をやっている人は、機会があればぜひ一度行かれると良いと思います。


ちなみに、近畿地方以外に現存する院政期建築は他に、

 中尊寺金色堂岩手県平泉町
 豊楽寺薬師堂(高知県大豊町
 富貴寺大堂(大分県豊後高田市
 三仏寺投入堂鳥取県三朝町)

の4つがあるのみ。
6年前に平泉には行っているので、残すところはあと三つ。
どれもぜひ行ってみたいんですけど、いかんせん遠いんだよなー。
今回も水戸まで行ってなかったら、行く機会があったかどうか…。
実はこの日(12月10日)は、青春18きっぷの利用開始日だったのです。
これがあるので、水戸→いわき→上野なんていう移動を一日でやってやろう、なんて思ったわけで、
かつ、ドンピシャの日程で、上野の東京文化会館でギエムの来日公演があるとは!
もうほんと、これ以上ないくらいに絶妙の日程でした。

で、帰りは東京駅から「ムーンライトながら」を使っているので、青春18きっぷを存分に活用。
残った3日分は、実家の鹿児島に帰る後輩に譲る。
なんだかこう、「野菜の皮まで捨てずに使う腕のいい料理人」になったような気分です(笑)。

うーん、次のターゲットは富貴寺大堂か三仏寺投入堂だなー。
「折りたたみ式自転車を買って、国東半島を自転車で回る」というのが昔からの野望なのですが。