当麻寺(竹内街道を行く その1)。

家を8時ごろに出て、当麻寺駅に着いたのが9時45分。
奈良県内の近鉄って、やたらと停車時間が長かったりして、急行に乗ってても結構時間がかかるんですよね。
駅から西にしばらく行くと当麻寺ですが、その途中にあるのが当麻蹴速の塚。
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当麻蹴速は、垂仁天皇の時代に野見宿禰と相撲で対戦し、腰を踏み折られて負けて死んでしまい、
土地は没収されて野見宿禰のものとされてしまった、という人物。
相撲の初例として有名な話ですが、結構物騒なエピソードだよなあ。

ちなみに、右後方に見えているのは葛城市相撲館です。
この日は月曜日で休館でしたが。

で、いよいよ当麻寺へ。
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612年に聖徳太子の弟である麻呂子親王が河内に建立たお寺が、
681年に現在地に移されたもの、と伝えられています。

・本堂
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(書き忘れてましたが、この本堂自体も国宝に指定されています)
創建当時の本尊は弥勒仏でしたが、現在は「当麻曼荼羅」が安置されています。
曼荼羅とはいっても、中央に阿弥陀如来を描いた浄土変相図なのですが。
右大臣藤原豊成の娘である中将姫が継母に殺されそうになり、当麻寺で尼となったのち、
仏の助力を得て蓮糸で一夜で織った曼荼羅とされています。
こんな絵です。
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1000円でカラー図版が売ってたから買っちゃった~♪
いつも「何かのネタに使うかもしれないし」と思って買うんだけど、実際使った例はあまりなし(苦笑)。

ちなみに、原本は天平期に作成されたもので国宝ですが、傷みが激しいので普段は公開されておらず、
本堂に祀られているのは1502年(文亀2)に転写されたものです。
が、曼荼羅を安置してある六角の厨子は国宝。
装飾がとってもきれいでした。

・講堂
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平氏の南都焼討で焼失し、鎌倉時代に再建された」と解説されていましたが…そうなのかな?
阿弥陀如来・妙幢菩薩・地蔵菩薩など、平安期製作の重文が多数。

・金堂
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これも鎌倉期の再建との解説。
かつての本尊である弥勒仏が中央に祀られています。
白鳳期製作とされる現存する日本最古の塑像で、国宝。
像高もかなり高くて迫力のあるお姿なのですが、
その前に置かれている不動明王さまがぶっちゃけ邪魔…(苦笑 だって見えないんだもーん)。

弥勒仏の周りには四天王が控えています。
珍しいひげ面の四天王で、個人的にはなかなかツボ。
法隆寺金堂の四天王像に次ぐ古い作品らしいです。
ちなみに、その次に古いのが東大寺戒壇院の四天王像なのだとか。
しかも、現存最古の乾漆像。
そんな貴重なものが国宝ではなく重文扱いなのは、たぶん多聞天鎌倉時代に後補されたものなのと、
修復がかなり入っているからなのかなー、と。

・鐘楼
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こちらの梵鐘も、日本最古級と推定されている国宝です。
うーん、国宝尽くしだな。

・石燈籠
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何の変哲もない石燈籠に見えますが、実はこれも重要文化財。うーむ。


さてさて、当麻寺といえばなんといっても国宝の三重塔ですが、
長くなったのでこちらは別記事で。