室生寺(国宝三寺社一気制覇・その3)。

室生口大野の駅からバスに15分ほど乗ると、室生寺に到着。
バス停からお寺までは、谷間のちょっとした門前町といった風情です。
室生川にかかる橋を渡って、いざいざ。
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室生寺は「女人高野」の通称でわかるように真言宗のお寺ですが、
もともとは宝亀年間(770~781年)に皇太子山部親王桓武天皇)の病気平癒の祈祷を
この地で行ったところ回復したので、朝廷の命で興福寺僧の賢璟が寺院を建立した、ということだそうです。
山号の「宀一山」(べんいちさん)は「室生」の略だそうですが、豪快な略し方もあったもんだなあ(笑)。

さてそれで、室生寺には国宝建造物が3棟もあります。
・金堂
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正堂部分が平安時代前期の建築で、鎌倉時代末期に大幅改修が入り、
江戸時代に礼堂部分が付け加わったそうです。
清水寺長谷寺に比べるとせり出しぶりは小幅ですが、れっきとした懸造(斜面に張り出した建築様式)。

・本堂(灌頂堂)
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建立は延慶元年(1308年)。
その名の通り、密教の師資相承の儀式である伝法灌頂を行うためのお堂です。
…って、灌頂が何なのかわかる人には不要な解説だし、わからない人には読んでもわからない説明だな(苦笑)。

ところで、以前凶の中の凶とでも言うべきおみくじを紹介しましたが、
あのおみくじはここで引いたものです。
ここのおみくじはセルフサービス形式になっていて、引き出し状の棚から自分の番号のものを取るのですが、
自分が引いた番号の90番台の棚がものすごいことになってました。
もうね、半分ぐらいズラっと「凶」。いっそ壮観です(笑)。
見た瞬間、「こらしゃ~ないわ」とあきらめが付きました。
実際、お友達もものの見事に凶を引いてましたからね。
どなたか勇気ある方はぜひぜひチャレンジを。

五重塔
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室生寺の至宝というより、日本の至宝とも言うべき五重塔
室生寺といえば五重塔五重塔といえば室生寺
今回はじめて見られて感激です。
思っていたより小さくてビックリしました(高さは大体16m)。
どのくらい小さいかというと、周囲の杉の木よりも塔の方が断然低いくらい。
なにごとも、やっぱり写真で見ただけじゃわかんないもんですね。
1998年の台風で杉の木が倒れて直撃し大きな被害が出ましたが、それもむべなるかな。

この事件の時の話で印象に残っているのが、大学の演習の時に先生がされた余談の内容。
国宝や重要文化財の管理には文化庁が携わっているわけですが、
桧皮葺の屋根に使う桧皮の生産量が限られているので、
きちんとスケジュールを組んですべての建物に行きわたるようにしているのです。
なので、こうやってイレギュラーに大量の桧皮が必要になってしまうと、えらいことになるんだとか。
木造建造物を維持していくというのも大変ですね、やっぱり。

室生寺は見所が多いので、レポはもう一回続きます。