『のだめカンタービレ』23。

イメージ 1

いよいよ大団円!
連載が完結したのは前から聞いてたんですけど、単行本の最終巻が出るまで早かったですねー。

というわけでさっそく買って読んでみたんですが、周囲の評判はあんまし芳しくありませんでした。
だいたいみんな「終盤バタバタした&あっさりしすぎ」という感想ですが…
うーん、個人的には、さっぱりスキッと終わった気がしていいと思ったんだけどなーという感じです。

まあなんていうか、「僕らの戦いはまだまだ続く!」という、
なんだかジャンプの連載打ち切りの王道パターンみたいなエンディングではあります(笑)。
ではあるんですが、プロになるまでのプロセスと、プロになってからの営みとでは、
共通項はあっても基本的には「それは別のお話」なわけで、区切りとしては良かったと思うんです。
そう考えると、千秋はすでに指揮者としてのキャリアを歩き出していたわけで、
あとは千秋の父親との関係とのだめの進路選択とが解決されれば、
ストーリーとしてはきれいに完結といっていいんじゃないかなあ、と。
2つの解決もきちんとリンクしてますしね。
千秋は父よりも大切なものと出会うことで父を克服し(要するに親離れ)、
ピアニストとしての父を通して、ピアニストとしてののだめを理解する。

最後の最後にモーツアルトの「2台のピアノのためのソナタ」が再び登場し、
ストーリ全体の構造も、二人が原点に戻ることで一つの環が閉じられます。
最初にこの曲を演奏した時に、谷岡先生は千秋に壁を越えさせることを目的とするわけですが、
最後に千秋がこの曲を演奏するのは、のだめに壁を越えさせるためです。
前半ではのだめに触発されて千秋がどんどん変わっていき(天才少年が大人になるプロセスw)、
後半では千秋に触発されてのだめがどんどん変わっていく。
男女に限らず、人間関係というものはかくありたいものだなあ、と思います。
(ついでに言うと、表紙もちゃんとピアノで始まりピアノで終わってますね。東洋的円環構造。)

回収されなかった伏線とかどこ行った状態のキャラとかはどーすんの?というのはありますが、
それはまあ、これから連載される外伝的なお話である程度は解決されるのかなあ、と。
(作品中で描かれなかった部分は勝手に脳内補完してしまうタイプなので、
 個人的にはあんまし気にならないんですけど 笑)
というわけで、最後の連載も楽しみです。
本誌では読まないんで、単行本化を待ちますけど…。