浄土寺(播磨の国宝巡り・その4)。

播磨の国宝巡り、最後の目的地は兵庫県小野市の浄土寺です。
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浄土寺は俊乗坊重源を開山として建久年間(1190~98年)に創建された寺院です。
浄土寺一帯は東大寺領大部庄で、重源による東大寺再建事業の拠点の一つでした。
で、東大寺南大門などと同様に、大仏様で1197年(建久8)に建てられたのが国宝の浄土堂です。
 
これがもう本当に素晴らしかった!建築物でこれだけ感動したのは初めての体験です。
以下いろいろ書きますが、結論を先に言えば
「とにかく行って自分の目で内部を見てくれ」ということに尽きます。
写真の撮影ができないのは当然ですが、できたとしても写真じゃ伝わらないと思います。
そして、「行くなら春か秋の昼下がりを選んで行け」と(理由は後述)。
 
まずもって、天井の木組みが独創的で、見たことのない組み方でした。
外見でわかるように、これだけの規模の木造建築なのに、三間四面と柱の数は非常に少ないです。
屋根はこの規模ではこれも珍しい四角錘型。
なんてったって東大寺南大門と並ぶ「元祖大仏様」建築ですからね。
 
そして内部には、これまた東大寺南大門の金剛力士像と同様に快慶の手になる阿弥陀三尊像が。
というか、中にはこれだけしかないというか、これだけのためにこの堂が建てられたというか。
だがそれがいい!(いや、ほんと)
阿弥陀様の存在感がすごすぎです。
なんたって像高5m30、須弥壇コミで7m50ですからね。
 
さて、1枚目の写真は南東方向から撮影したものですが、
こちらは南西方向から撮影したもの。
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御覧いただけばわかるように、格子になっていて、堂内の採光はここから行っています。
で、格子や堂の柱はすべて朱塗り。
これで春秋の昼下がりにはどうなるか。
西から入る光が朱塗りに反射して、堂内が朱金の光に満たされます。
僕の行った時間はちょっと旬を過ぎてしまっていましたが、それでも素晴らしかったです。
これでドンピシャリのタイミングで行くとどんななんだろう…。
それだけのために行ってもいい気がします。それだけの価値がある。
まあ、よろずの浄土系の建築は、同じ理由で彼岸の頃に行くに限りますが。
 
瓦まで凝ってます。「南無阿弥陀仏」の字が読めるかなー?
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この他、池を挟んだ東側の対面に本堂(薬師堂)が、
池の北側に鎮守八幡神社本殿・拝殿が建っていて、ともに重要文化財に指定されています。
・本堂
 
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