タモリが街にやってくる(きた)。

京都 発見!クラシック Vol.1

指揮:広上淳一 ピアノ:山下洋輔 ゲスト:タモリ 管弦楽京都市交響楽団

第Ⅰ部「ジャズ×クラシック 音楽との出会い」
タモリ山下洋輔広上淳一によるトーク

第Ⅱ部
バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」
アルヴェーン「祝典序曲」op.25
グレン・ミラー・メドレー」
デューク・エリントンA列車で行こう
ガーシュウィンラプソディー・イン・ブルー

アンコール:山下洋輔「Swing」
先月行ったコンサートの話題を、遅ればせながら。
ウィークデーのマチネを大ホールでやるという、一歩間違えば暴挙になりかねない京響の新企画でしたが、
どうしてどうして、しっかり満席でした。さすがのタモリ効果。
企画を知ったときに「行けるはず!」とチケットを取ったのですが、6列目11番という、視覚的には超良席でした。
中央ブロックの、ステージに向かっていちばん左、通路脇の席だったんですが、
アンコールでタモリさんが座席からステージに上がるときに、なんと真横を通っていかれました!
同じ通路沿いの座席の人が、二人ほど握手してもらっていましたが、僕も手を出せばよかった…。
 
2時間くらいのイベントかな~と思ってたんですけど、ことのほかボリュームたっぷりで、
開演2時・終演4時半でした。
トークが1時間、休憩が20分、演奏が1時間10分という内訳です。

トークの前半は、タモリさんと山下さんのなれ初めの話。
詳細はWikipediaにもあるので、内容的にはそちらをご覧くださいという感じなのですが、
当事者の口から語られるのを聞くと、真実味が増しますね。
サックス奏者が虚無僧を謡曲風に演じているところにセッションしたそうです。

で、そこからテレビに関するあれやこれやの話になって、
・芸能界に入るに当たって決めた三か条は「師匠を持たない」「派閥を作らない」「色紙に座右の銘を書かない」
 なのだが、「三つ目はどれだけ言っても鶴瓶がやめないんだよなあ」と言って、鶴瓶さんのまね。
 「高座で噺の落ちをつけてお辞儀をしたあとに、どや顔をする」のもやめないそうで。
・「ヨルタモリ」最初の収録でカットされたネタ、
 「北朝鮮のニュースを読む人が、日本のニュースのアナウンサーになったら」。
 「われわれの敬愛する安倍首相は~」に会場大ウケ。
 最近の民放はスポンサーの意向を気にしていて、むしろNHKが何でもOKでヤバいのだとか。
と、そんな感じでいろいろ楽しかったです。

で、最後は茂木大輔さん(N響の首席オーボエ奏者)を交えて、4人の即興による「でたらめブルース」。
山下さんのピアノに、タモリさんが即興でもっともらしく歌を付けるのですが、
これが演奏としてちゃんと成り立っているからスゴい!
指揮の広上さんはピアニカで参戦したのですが、これもことのほかグー。
茂木さんは、急な話だったのか、その場でオーボエを組み立ててたので、ちょっとお気の毒な感じでした。
 
第Ⅱ部の演奏も良かったです…というほかに、あまり感想はないかなあ。
個人的には、ウエストサイドストーリーが好みでした。
意外なことに、ラプソディー・イン・ブルーは、どうもツボから外れていたようで……。
生演奏で聴くのははじめてだったから、良かったんですけど。
知らなかったんですが、編成にバンジョーが入ってるんですね。
 
で、アンコールでふたたび、タモリさんがボーカルで参加して大団円。
この人は即興の天才なのだなあとしみじみ思いました。
まあ、「タモリ倶楽部」を見てたら当然のことではありますが。
おそらく二度とないであろう貴重な機会を体験できて良かったです。