『増補改訂新版 日本中世史入門』刊行。

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告知が遅くなりました、「薄い本」ならぬ「厚い本」(笑)、『増補改訂新版 日本中世史入門』刊行です。
実に261ページもの増補改訂(347ページ→608ページ)。いずれも1972年生まれの編者のお三方を筆頭に、執筆陣は「団塊ジュニア世代の饗宴」といった趣きです。
私は「院政論」を書かせていただきました。……辛かったです(苦笑)。ただでさえ研究史整理は苦手なのですが、学界では周知のとおり、院政研究史については、すでに1993年の『新視点 日本の歴史』で、田島公・美川圭両先生による優れた整理が行われているのです。まともにやると、1993年以降の研究だけを追記した「継ぎ足し建築」にしかなりません。
というわけで、書き出しで少し趣向を凝らしてみました。うまくいっているよう祈っていますが、個人的には、結果として、院政研究史高群逸枝氏の女性史研究との関係について少し触れることができたので、良かったです。「政治史と家族史の融合」という副題は後から付けたのですが、こちらも他の方とはちょっと違った感じになりました。そんなわけで、よろしければ苦心の作をお読みいただければ幸いです。