日本歴史学協会の声明に賛同します。

日本歴史学協会から、「歴史研究者による深刻なハラスメント行為を憂慮し、再発防止に向けて取り組みます」という声明が出されました。
「今回の問題は、歴史学界において長年にわたって蓄積されてきた、ハラスメントをうみだし、それが見すごされてしまう構造が、表出した一事例に過ぎません。この構造のなかでは、すべての歴史研究者がハラスメントの当事者となり得ます。そうした連鎖を断ち切るための取り組みが歴史学界に求められています。」というとらえ方は、非常に重要であると思います。
私自身は日本歴史学協会の個人会員ではありませんが、個人として、声明の趣旨に賛同します。

ただし、第二段落の「今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディアSNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。」という一文について、「あらゆる社会的弱者」という表現には、疑問を感じています。「あらゆる社会的弱者」を包括したハラスメント行為があったことを、現時点で私は存じ上げないからです。
なお、各学会でのハラスメント防止の規約・ガイドライン等策定に際しては、声明のきっかけとなった事象におけるハラスメント対象の範囲に関わらず、当然、あらゆる個人・集団に対するハラスメント行為が包括的に想定される必要があると考えます。

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