スケート・カナダ感想。

○男子
SPはあんまし見るところがなかったんですけど、フリーはなかなかの好勝負でした。
ジュベール
SPの「All For You」はそれなりに雰囲気もあって、個人的にはまずまずかなーと。
ステップは久々に「ヤグディン・トリビュート」な感じだし(笑)。
でもなー、フリーがねえ…去年からいまいちこのプログラムがピンと来ないんですよ。
今回は演技そのものの出来もあまり良くなかったし。
大ちゃんとライサのプログラムが滑り込めてきたら、イェーテボリの世選ではしんどいんじゃないかなー。

で、「All For You」のYouってやっぱりママンなのかしらん w

・バトル
んんんん、調子はまだまだって感じですねー。
SP・フリーともに一回転倒があったのは仕方がないにしても、
SPではほんとになんでもないつなぎのところでバランスを崩してましたし、
フリーも最初の方でトリプルのサルコーとフリップがそれぞれダブルに。
それでもステップ・スピンがさすがの美しさで、GPシリーズで表彰台を逃すようなことはなかったのですが。
童顔なんであんましそんな気がしませんが、男子の中ではそろそろ結構な年長の部類に入るバトル。
次戦のロシア杯までにとは言わないので、うまく世界選手権にピークを持ってきてほしいです。

・ケビン・バン・デル・ペレン
人呼んでKVDP、中小国マニアにはたまらないベルギーの星(笑)。
いや、個人的にはあの風貌(ちょっと行っちゃってる目、クリムキンやリンデマン
お友達になれそうなキューピーあたま)も含めて大好きなんで、
去年の世選欠場がとっても残念だったんですが。
トリノオリンピックでもベルルンとタメを張れるくらいのナゾ衣装&フシギ演技でしたが、
今年もやってくれました。
なんでしょう、SPのあの心臓&血管模様の衣装は(苦笑)。
SPは演技の方も、4T跳んどいてコンピジャンプで転倒(もったいない…)、
シットスピンでバランスを崩す、といまいちな出来具合。
が、フリーは素晴らしかった!
冒頭の4T・3Aをとってもクリーンに決めて、後半のコンビジャンプも全部成功。
フリーだけならトップの得点も納得。KVDPの個人史上屈指の会心の演技だったと思います。
アラビアンナイト風の衣装&振付も面白かったです。スピンの形もそれっぽい。
アラビアはアラビアでも「アラビアのロレンス」でこれをやってしまうところが、
またいかにもKVDPだなあ、と(笑)。

・メイビー
先輩バトルに倣ったのか、今年のフリーは「Sing Sing Sing」。
これがことのほか良かったです。小粋な雰囲気がよく出てて。
こんな演技も出来るんじゃん、と見直しました。
もう一度見たいと思わせるものがあります。
とはいえ、4回転がなく、最初の3Aコンビが回転不足、2度目の3Aがシングルに、
最後は2A、というジャンプの構成では、点数的には出なくなってしまうのも致し方なし。
次はジャンプも決まった演技を期待。
解説の本田くんは跳び終った瞬間に3Aコンビの回転不足を指摘してました。
グッジョブ!

・チッパー
これまで名前しか知らなかったカナダ選手で、GPシリーズは今季はスケカナのみの出場。
なんですが、この選手はひじょーに印象に残りました。
技術的にはそんなにすごいことをやってるわけじゃないんですけど、
(でもスコアを見直したら、スピンは全部レベル4じゃん!すごいな。)
「一生懸命ジャンプ跳んでます!」という風情がみょーにすがすがしくて。
北米選手特有の普段着仕立ての衣装はたいていイモくさく見えるんですが(苦笑)、
彼の場合は演技の風情とあいまって非常に好感が持てました。
(ちなみに曲はダンス・ウィズ・ウルブズ
客席ではスタオベが起こってましたが、地元という要素を割り引いても、
その気持ちはわかるような気がします。
順位や点数とは関係なしに、心に残る演技とかその選手なりのいい演技というのはありますから。

男子フリーではアメリカのアボット君がメイビーとチッパーの上に来ているんですが、
…うーん、正直あんまし印象にないです。
どっちかというと、「ポンちゃんまたかよ…orz」となったポンセロの演技が(笑)。
ポンセロもほんと「フリーがダメな子」だなあ。期待してるんだけど。
ちなみに、今回の上位陣は、バトル以外はフランス大会で再び激突の予定です。

○女子
・浅田さん
シーズン初戦ということもあって、SPはまさかの出来(それでも3位は立派)でしたが、
フリーは「レベルと質の高い安全運転」できっちり逆転優勝。強いね!
冒頭のアクセルこそ2Aにしてきましたが、その分加点バリバリ、
コンボジャンプはこれでもかとばかりにループジャンプ。
(単独3Lo、+3Lo、+2Lo、+2Lo+2Loと跳んでるので、
 これって現行ルールで計算上最高のコンビジャンプの入れ方ってことか…)
なによりスケーティングが流れるような滑らかさなので、
PCSが付くわ付くわの57.84(つなぎ以外は全部7点台)。
そら安全運転しても勝ちますわな、ということで。
ただ、プログラムの好みとして聞かれるとうーん…ということで。

・中野さん
同じくSPはあららという感じでしたが、フリーでは見事3Aを決めて挽回。
解説の荒川さんもほめてましたが、実際GOEも-0.2となかなかの評価。
他の要素もほとんど減点がなかったんで、技術的には今回ほぼ完璧と言えます。
(ちなみに、TESだけなら浅田さんより上です。)
それだけに、PCSが出ないのがねー。ほとんど6点台前半。
この辺は地道にこつこつ評価を上げていくしかないんでしょうか。
演技そのものはもう善悪の評価を超えて好きです。
終盤に笑顔が出てきてあれだけホッとさせられるスケーターが他にいましょうか。
滑り始め見てるとこっちまで胃がキリキリしそうになります(笑)。

・ロシェット
年々ますます肩の筋肉に磨きがかかるロシェ姉(笑)。
今年のフリーもなかなか面白くていいんじゃないのかなー。
村主さんとはまた違った感じの、張り詰めた感じの空気が醸し出せる人です。
ただ、演技終盤であんな無茶なシークエンスを入れる必要があるの?とは思いますが。
(3T+2Fと2A+2A)
単純に3F+2Tと2A+2Tじゃ基礎点が足らない、という計算なんでしょうけど、
明らかに演技の流れを壊してしまっているので。まあ難しいところですけどね。

アシュリー・ワグナー
これはまたいかにもUSA印にちゃきちゃきした新人ですね~(笑)。
勢いと見るか粗さと見るか難しいところですが、個人的にはこういうのは好きだな。
さすがにPCSはごっそり下げられてますけど(苦笑)。
アメリカのジュニア3人娘はなかなか個性的で今後が楽しみです。
あと、スコアを見ると3Lzが2回ともエッジの減点を食らってます。
今季からほんとに厳しくなったんだなー。

・武田さん
奈也ちゃんGPシリーズデビュー戦。
演技はとっても良かったと思います。
なんかこう、見ててスカッとしません?(笑)
競技的には、課題も浮き彫りになったんだと思いますけど。
特にフリーで、得意なジャンプと不得手なジャンプが
くっきり目に見えてわかってしまったので。
(いっそコンビは全部ループジャンプにしちゃってもいいんじゃないの?)
あと、SPで滑走順がレピストの前だったんですけど、
見比べるとスピンの軸のブレが気になっちゃって…(ついてない滑走順とは言える 苦笑)。
その辺をどんどん修正していってほしいなーと。

レピスト
SPは素晴らしい演技でした。
これでほんとにジュニアの世界選手権7位なの?って正直思いました。レベル高けー!
スケーティングもきれいだし(PCSはほとんど6点台です)、
スピンの軸とか全然ぶれない。素晴らしい!
フリーはさすがにプレッシャーがきつかったか、
ミスの連鎖を食い止められずに沈んでしまいましたが、今後が楽しみです。
フィンランドは上に強いお姉さま方が二人(ポイキオとコルピ)がいらっしゃるので、
まずはその二人に追いつき追い越すのが目標かな?

…ジュニア時代をまったく見てないのであれなんですけど、
「フリーでは別人格」症候群てわけじゃないんですよね?(笑)

エミリーはスケアメで書いたのであまり書くことはないんですが、
フリーの「カルミナ・ブラーナ」の編曲はもうちょっと何とかならんもんかと小一時間問い詰めたい(笑)。
聞いてて気色悪くて気色悪くて。
あと、3T+3Tなのであまり得点的にはメリットがないとはいえ、
レピストとかグレボワまで3回転-3回転を跳んじゃうんですねえ。ふうむ。

スケート・カナダ結果(Yahoo!が「長すぎ!」と言ってきたのでペアとアイスダンスのみ)
ペア
1 Aliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWY GER 188.63 1 1
2 Jessica DUBE / Bryce DAVISON CAN 174.20 2 2
3 Yuko KAWAGUCHI / Alexander SMIRNOV RUS 165.19 3 3
4 Anabelle LANGLOIS / Cody HAY CAN 156.67 4 4
5 Tiffany VISE / Derek TRENT USA 147.52 6 5
6 Meagan DUHAMEL / Craig BUNTIN CAN 144.16 5 6

アイスダンス
1 Tessa VIRTUE / Scott MOIR CAN 197.07 1 1 1
2 Anna CAPPELLINI / Luca LANOTTE ITA 171.57 2 2 3
3 Pernelle CARRON / Mathieu JOST FRA 167.83 4 3 2
4 Allie HANN-McCURDY / Michael CORENO CAN 152.16 7 6 4
5 Ekaterina BOBROVA / Dmitri SOLOVIEV RUS 151.97 6 4 6
6 Kaitlyn WEAVER / Andrew POJE CAN 148.77 8 8 5
7 Nelli ZHIGANSHINA / Alexander GAZSI GER 140.64 9 7 8
8 Carolina HERMANN / Daniel HERMANN GER 136.11 10 9 7
9 Julia ZLOBINA / Alexei SITNIKOV RUS 132.05 5 10 9
WD Melissa GREGORY / Denis PETUKHOV USA 3 5