読書バトン。
ぴぱさんからいただきました~、読書バトン。
ここぞとばかり語り倒し、あまりに長くなったので、2回に分けて掲載です(苦笑)。
ここぞとばかり語り倒し、あまりに長くなったので、2回に分けて掲載です(苦笑)。
1.今読んでる本は?
なぜかたまたま、笠松宏至『徳政令』。何度読んでも面白い。
一般読者にも専門家にも好奇心を刺激する、新書の鑑のような本。
(数日がかりで書いてるんで、実際には「そのとき読んでた本」ですが。)
なぜかたまたま、笠松宏至『徳政令』。何度読んでも面白い。
一般読者にも専門家にも好奇心を刺激する、新書の鑑のような本。
(数日がかりで書いてるんで、実際には「そのとき読んでた本」ですが。)
ホームズとルパンの対比はこないだ書いたので省略しますが、
ホームズは「馬車&汽車」、ルパンは「自動車&エレベーター」なイメージ。
ほぼ同時代なのに、19世紀と20世紀の差をくっきり感じるんですよねー。
ホームズは「馬車&汽車」、ルパンは「自動車&エレベーター」なイメージ。
ほぼ同時代なのに、19世紀と20世紀の差をくっきり感じるんですよねー。
で、金田一は「田舎に裸電球」(笑)。
そして、死ぬべき人間が全て死んでから謎解きをする金田一…遅いよ金田一。
でもそんな金田一が好き。あんまし読ませてもらえなかったけど。
(まあ、小学生の情操教育的にはいかがなものかという気はする 笑)
そして、死ぬべき人間が全て死んでから謎解きをする金田一…遅いよ金田一。
でもそんな金田一が好き。あんまし読ませてもらえなかったけど。
(まあ、小学生の情操教育的にはいかがなものかという気はする 笑)
明智小五郎にライバルの探偵が登場すると、必ずそいつが犯人。
主要登場人物で「ケガはするけど命は助かる」やつは必ず犯人。
怪人二十面相が使う「インドのロープの魔術の応用」がいまだにわからない。
(※空き地でロープが宙に向かって伸びて、そのロープをするすると登っていくというマジック)
大人になって天知茂版『江戸川乱歩の美女シリーズ』を見るとツッコミどころ満載で爆笑してしまう。
でもそんな明智小五郎が好きだった(←過去形)。
主要登場人物で「ケガはするけど命は助かる」やつは必ず犯人。
怪人二十面相が使う「インドのロープの魔術の応用」がいまだにわからない。
(※空き地でロープが宙に向かって伸びて、そのロープをするすると登っていくというマジック)
大人になって天知茂版『江戸川乱歩の美女シリーズ』を見るとツッコミどころ満載で爆笑してしまう。
でもそんな明智小五郎が好きだった(←過去形)。
…というなかで、小学生だった私の心に一番キャッチーだったのは、
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』だったのでありました。
多分、「子供たちだけで漂流する」っていうシチュエーションがツボだったんでしょうね。
今でも大好きな作品です。
ちなみに、この本でニュージーランド最大の都市はオークランドと覚えました。
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』だったのでありました。
多分、「子供たちだけで漂流する」っていうシチュエーションがツボだったんでしょうね。
今でも大好きな作品です。
ちなみに、この本でニュージーランド最大の都市はオークランドと覚えました。
てゆーか、こう書いてきたらC・S・ルイス(『ナルニア国物語』)と
アーシュラ・K・ル=グウィン(『ゲド戦記』)も当然入れなくちゃ。
3.中学生の時はまった作家は?
西村京太郎と山田風太郎と檜山良昭。
…偏った中学生だな~(笑)。
アーシュラ・K・ル=グウィン(『ゲド戦記』)も当然入れなくちゃ。
3.中学生の時はまった作家は?
西村京太郎と山田風太郎と檜山良昭。
…偏った中学生だな~(笑)。
西村京太郎は、作品自体は父親の影響で小学生の時から読んでたんですけど、
中学校の横に新しく公立図書館が出来て、全集で初期作品が読めるようになったんですよね。
いや、近年の「駄作多作作家」としての西村京太郎しか知らない人のために言っておくと、
昔の西村作品はほんとすごいんですって。
古典的な双子トリックに一ひねり加えた『殺しの双曲線』。
空間・人間を豪快に限定した中で、ストーリーが緻密に展開する『七人の証人』。
『華麗なる誘拐』をはじめとする、意表を突く誘拐もの。
なかでも個人的一押しは、『名探偵なんか怖くない』などの『名探偵~』シリーズ。
パロディもので、ポワロ、メグレ、クィーン、明智という4人の名探偵が一同に会します。
未読の方にはぜひオススメしたい逸品ぞろいです。
…そして、近年の劣化振りを見るにつけ、つくづくと「才能は枯渇する」のだなあ、
との思いを強くするのですが(苦笑)。
中学校の横に新しく公立図書館が出来て、全集で初期作品が読めるようになったんですよね。
いや、近年の「駄作多作作家」としての西村京太郎しか知らない人のために言っておくと、
昔の西村作品はほんとすごいんですって。
古典的な双子トリックに一ひねり加えた『殺しの双曲線』。
空間・人間を豪快に限定した中で、ストーリーが緻密に展開する『七人の証人』。
『華麗なる誘拐』をはじめとする、意表を突く誘拐もの。
なかでも個人的一押しは、『名探偵なんか怖くない』などの『名探偵~』シリーズ。
パロディもので、ポワロ、メグレ、クィーン、明智という4人の名探偵が一同に会します。
未読の方にはぜひオススメしたい逸品ぞろいです。
…そして、近年の劣化振りを見るにつけ、つくづくと「才能は枯渇する」のだなあ、
との思いを強くするのですが(苦笑)。
山田風太郎は、以前も書きましたが、1991年に毎日新聞で連載された
『柳生十兵衛死す』との出会いが、あまりに衝撃的で。
江戸時代と室町時代を、能をタイムマシンとして使ってつなぐというその発想!これぞ鬼才!
登場人物も、江戸時代では後水尾上皇・明正上皇・由比正雪・徳川頼宣・服部半蔵など、
室町時代では足利義満・後小松天皇・一休・世阿弥・義円(足利義教)・後南朝・愛洲移香斎など、
時代小説好きにはたまらない面子。
柳生十兵衛三部作(『柳生忍法帳』・『魔界転生』・『柳生十兵衛死す』)は、
「四の五の言わずとにかく読んでみ」と、私は言いたい。
とはいうものの、その他の作品が勧められるかと言われると困ってしまいますが…。
や、正直に言えば、あのエロさとグロさも好きなんですけどね。
『柳生十兵衛死す』との出会いが、あまりに衝撃的で。
江戸時代と室町時代を、能をタイムマシンとして使ってつなぐというその発想!これぞ鬼才!
登場人物も、江戸時代では後水尾上皇・明正上皇・由比正雪・徳川頼宣・服部半蔵など、
室町時代では足利義満・後小松天皇・一休・世阿弥・義円(足利義教)・後南朝・愛洲移香斎など、
時代小説好きにはたまらない面子。
柳生十兵衛三部作(『柳生忍法帳』・『魔界転生』・『柳生十兵衛死す』)は、
「四の五の言わずとにかく読んでみ」と、私は言いたい。
とはいうものの、その他の作品が勧められるかと言われると困ってしまいますが…。
や、正直に言えば、あのエロさとグロさも好きなんですけどね。
檜山良昭は、知ってる人は知ってる「架空戦史もの」の先駆者にして大家。
最近はこの手の本はもう読むこともないですけど(「はしか」みたいなもんです 笑)
まあ、研究対象としての軍事史にはいまでも興味はあります。
というか、政治史やってる限り、軍事は避けて通れない要素だからな~。
ついでにいうと、檜山さんの作品のいいところは「こうやれば勝てた」ではなく
「どだいダメだった」ところに主眼があり、なおかつ、
むしろ「戦争の悲惨さ」に力点を置いていることにあります。
この人の本を読んで「軍国少年」になる人はいない気がします(笑)。
最近はこの手の本はもう読むこともないですけど(「はしか」みたいなもんです 笑)
まあ、研究対象としての軍事史にはいまでも興味はあります。
というか、政治史やってる限り、軍事は避けて通れない要素だからな~。
ついでにいうと、檜山さんの作品のいいところは「こうやれば勝てた」ではなく
「どだいダメだった」ところに主眼があり、なおかつ、
むしろ「戦争の悲惨さ」に力点を置いていることにあります。
この人の本を読んで「軍国少年」になる人はいない気がします(笑)。
4.高校生の時はまった作家は?
筒井康隆・小松左京・芥川龍之介・中島敦・島田荘司・伴野朗。
筒井作品は、スラップスティック系も大好きなんですが、
一番好きなのは、ある意味筒井作品らしくない七瀬三部作。
(『家族八景』・『七瀬ふたたび』・『エディプスの恋人』)
テレパスというのはSFの古典的素材ですが
「人間の複線的思考を、文字によって同時的に表現する」という難事をやってのけた点で、
SFの枠を越えた傑作だと思います。
もちろん、ストーリーもキャラも設定もどれも素晴らしい。
短編でも、「ホンキイ・トンク」や「夢の裁判官」といった
優しさ溢れる(これもある意味筒井作品らしくない 笑)佳作が好き。
筒井康隆・小松左京・芥川龍之介・中島敦・島田荘司・伴野朗。
筒井作品は、スラップスティック系も大好きなんですが、
一番好きなのは、ある意味筒井作品らしくない七瀬三部作。
(『家族八景』・『七瀬ふたたび』・『エディプスの恋人』)
テレパスというのはSFの古典的素材ですが
「人間の複線的思考を、文字によって同時的に表現する」という難事をやってのけた点で、
SFの枠を越えた傑作だと思います。
もちろん、ストーリーもキャラも設定もどれも素晴らしい。
短編でも、「ホンキイ・トンク」や「夢の裁判官」といった
優しさ溢れる(これもある意味筒井作品らしくない 笑)佳作が好き。
小松作品はSFとしても好きですけど、小松作品はどちらかというと
SF的状況設定よりは、そこに生きる現実の人間のカッコよさが魅力だと思います。
その意味で、一番好きな作品は『首都消失』。
「東京が突然正体不明の雲に包まれ、通信も交通も途絶」という状況で、
社会や生活を再建するために懸命に努力する残された人々の姿が、実にカッコいいです。
『復活の日』の吉住さんも好きだなあ。
理想像とか憧れという点で、人として大きな影響を受けた作家です。
SF的状況設定よりは、そこに生きる現実の人間のカッコよさが魅力だと思います。
その意味で、一番好きな作品は『首都消失』。
「東京が突然正体不明の雲に包まれ、通信も交通も途絶」という状況で、
社会や生活を再建するために懸命に努力する残された人々の姿が、実にカッコいいです。
『復活の日』の吉住さんも好きだなあ。
理想像とか憧れという点で、人として大きな影響を受けた作家です。
芥川龍之介・中島敦は、もう別格の存在。
内容もさることながら、まず文章の格調の高さにノックアウトですよ。
あれは「漢籍の知識が素養としてあったから」こそでしょう。特に中島敦は。
芥川作品では、やっぱり説話を題材にした作品が好きですね。
当然そこにモダンな感覚での一ひねりが加わるわけですが、そのひねり方が素晴らしい。
「邪宗門」は完結させてほしかったな~。
内容もさることながら、まず文章の格調の高さにノックアウトですよ。
あれは「漢籍の知識が素養としてあったから」こそでしょう。特に中島敦は。
芥川作品では、やっぱり説話を題材にした作品が好きですね。
当然そこにモダンな感覚での一ひねりが加わるわけですが、そのひねり方が素晴らしい。
「邪宗門」は完結させてほしかったな~。
中島作品では、「弟子」と「李陵」が自分の中では双璧。
「弟子」は、子路の視点から描くことで、孔子をこんなにも生き生きと描けるのか!と感嘆した作品。
「李陵」は、自分ではどうにも出来ない悲運の中での、
主人公李陵の悲しみ・怒り・あきらめといった諸々の激情に、いつも心を揺さぶられます。
作品の評価としては「弟子」、どちらが好きかと言われれば「李陵」、という感じ。
あと、「文字禍」は文系研究者必読の作品です。
「文字がいかに恐ろしく、人を悲劇に陥れるものであるか」を飄々と説いてます(笑)。
「弟子」は、子路の視点から描くことで、孔子をこんなにも生き生きと描けるのか!と感嘆した作品。
「李陵」は、自分ではどうにも出来ない悲運の中での、
主人公李陵の悲しみ・怒り・あきらめといった諸々の激情に、いつも心を揺さぶられます。
作品の評価としては「弟子」、どちらが好きかと言われれば「李陵」、という感じ。
あと、「文字禍」は文系研究者必読の作品です。
「文字がいかに恐ろしく、人を悲劇に陥れるものであるか」を飄々と説いてます(笑)。
伴野朗は、ちょっと説明がいる作家かも。
このページが一番詳しいのかな~。
東京外大(中国語)→朝日新聞特派員という経歴の持ち主で、
北京原人の化石消失を扱った『五十万年の死角』で、1976年作家デビュー・江戸川乱歩賞受賞。
作家デビュー後も10年以上特派員生活を続け、上海支局長などを勤めた異色の経歴の持ち主です。
基本的にはミステリー仕立ての冒険小説が多く、
作品群はその素材から、
①中国の歴史もの
②日中戦争期のスパイもの
③近現代中国及びその周辺のスパイもの
に大別できます。
特に中国の歴史を素材にしたものは、定番の『史記』・『三国志』ものから、
(ただし、後漢の班超を主人公にした『大遠征』など、定番にとどまらない。
ついでに言うと、『史記』に関しては宮城谷昌光の先駆的存在。)
唐代の『長安殺人賦』・『玄宗皇帝』、『西域伝』、
明代の『元寇』・『朱龍賦』・『永楽帝』・『大航海』(主人公は鄭和)、
清代の『南海の風雲児 鄭成功』・『乾隆帝暗殺』、
辛亥革命期の『砂の密約』
と、実に多様な時代・対象にわたっています。
このページが一番詳しいのかな~。
東京外大(中国語)→朝日新聞特派員という経歴の持ち主で、
北京原人の化石消失を扱った『五十万年の死角』で、1976年作家デビュー・江戸川乱歩賞受賞。
作家デビュー後も10年以上特派員生活を続け、上海支局長などを勤めた異色の経歴の持ち主です。
基本的にはミステリー仕立ての冒険小説が多く、
作品群はその素材から、
①中国の歴史もの
②日中戦争期のスパイもの
③近現代中国及びその周辺のスパイもの
に大別できます。
特に中国の歴史を素材にしたものは、定番の『史記』・『三国志』ものから、
(ただし、後漢の班超を主人公にした『大遠征』など、定番にとどまらない。
ついでに言うと、『史記』に関しては宮城谷昌光の先駆的存在。)
唐代の『長安殺人賦』・『玄宗皇帝』、『西域伝』、
明代の『元寇』・『朱龍賦』・『永楽帝』・『大航海』(主人公は鄭和)、
清代の『南海の風雲児 鄭成功』・『乾隆帝暗殺』、
辛亥革命期の『砂の密約』
と、実に多様な時代・対象にわたっています。
僕が高校生の頃は、まだ田中芳樹は中国ものをほとんど書いてなかったんですよね。
(『風よ、万里を翔けよ』が1991年。僕が中2の年です。)
で、『三国志』を横山光輝のマンガ→吉川英治・柴田錬三郎・陳舜臣…と
読み進んだ次に出会ったのが、伴野朗の作品群でした。
個人的には、陳舜臣御大と、宮城谷昌光・田中芳樹という1990年代以降の作家の
ちょうど中間に位置する人だと思ってます。
中国物のファンの方には、ぜひオススメしたい作家です。
(『風よ、万里を翔けよ』が1991年。僕が中2の年です。)
で、『三国志』を横山光輝のマンガ→吉川英治・柴田錬三郎・陳舜臣…と
読み進んだ次に出会ったのが、伴野朗の作品群でした。
個人的には、陳舜臣御大と、宮城谷昌光・田中芳樹という1990年代以降の作家の
ちょうど中間に位置する人だと思ってます。
中国物のファンの方には、ぜひオススメしたい作家です。
島田荘司は、言わずと知れた新本格派の旗手にして大家。
特に吉敷竹司シリーズが好きでした。
それと、『火刑都市』とか『網走発遥かなり』とか、近現代都市の評論的な作品も好きでした。
高校~大学1・2年の頃に相当はまって読みましたが、
読んだ作品はだいたい90年代前半までのもので止まってますね。
多分その理由は、御手洗潔シリーズがちょっと苦手で、
(『占星術殺人事件』・『斜め屋敷の犯罪』は名作だとは思うけれど)
近年は吉敷竹司シリーズの新作が出ないから、だと思います。
あと、この人に関しては、作詞の才能がトンとないのはご愛敬(笑)。
(どのくらいダメか知りたい人は、『消える「水晶特急」』を読みましょう)
特に吉敷竹司シリーズが好きでした。
それと、『火刑都市』とか『網走発遥かなり』とか、近現代都市の評論的な作品も好きでした。
高校~大学1・2年の頃に相当はまって読みましたが、
読んだ作品はだいたい90年代前半までのもので止まってますね。
多分その理由は、御手洗潔シリーズがちょっと苦手で、
(『占星術殺人事件』・『斜め屋敷の犯罪』は名作だとは思うけれど)
近年は吉敷竹司シリーズの新作が出ないから、だと思います。
あと、この人に関しては、作詞の才能がトンとないのはご愛敬(笑)。
(どのくらいダメか知りたい人は、『消える「水晶特急」』を読みましょう)
続きはまた明日。