版が変われば曲変わる。

昨日は合唱団の練習日でした。
えー、苦戦しました(苦笑)。

今歌っているのはモーツァルトの『レクイエム』で、
これまでに3回演奏会で歌ったことのある曲なのですが、
今回はこれまでと違う版の楽譜で歌っています。

映画『アマデウス』でも知られる通り、モーツァルトは『レクイエム』を完成させる事なく夭折し、
彼の死後に弟子のジュスマイヤーが、残された指示にしたがって曲を完成させます。
これがジュスマイヤー版という楽譜で、一般に演奏されるのはこの版です。
が、モーツァルト作曲部分とジュスマイヤー作曲部分との差がかなりあるというのが大方の評価で、
そのことが曲そのものの評価を下げている面もありました。
まあしかし、比べられる相手が天才モーツァルトでは、
ジュスマイヤーも気の毒だという気もしないではないですが(笑)。

ともあれ、そんな事情でジュスマイヤー版を改訂した版がいろいろと存在するのですが、
その中でもかなり新しく、かつかなり大幅に改訂を加えているのが、今回歌っているレヴィン版。
細かい改訂はもうそれこそ無数にありますが、大きな改訂点は、
 1 ラクリモーサ(涙の日)のあとにアーメンフーガがある
 2 サンクトゥスの後半のオザンナのフーガが拡大されている
の2点。

で、昨日はラクリモーサのレッスンだったんですけど…。
モーツァルトはちょうどこの曲の出だしまで作曲してこの世を去ったのですが、
レヴィンはアーメンフーガの追加だけでなく、
この曲の後半のジュスマイヤー作曲部分を全般に大幅改訂しています。
新曲だけなら新しく覚えればすむ話ですけど、
なまじ3回もジュスマイヤー版で歌っているせいで、記憶の上書きがどうにも上手くいかず。むう。

今回歌うかどうか悩んだのは、この楽譜の版の問題も一因だったんですよねー。
ジュスマイヤー版ならそう悩まなかったし、
まったく歌ったことのない曲なら、逆にあきらめがついたと思うんですよ。
今回、仮に演奏会に出る都合が付いたとして、
じゃあ納得の行くところまで曲をマスター出来るかというと、正直ちょっと自信がないなあ。
自分はとにかく反復練習しないとどうにもならない人間だ、と再確認する今日この頃です。
飲み込みが遅いんだよね~。がんばれオレ。