刻印。

今日の講義で、学生から
「先生は塾の先生とかやってらっしゃったんですか。
 授業が妙にわかりやすくて聞きやすいんですが。」
とアンケートに書かれてしまいました。

「しまいました」と書いた理由は、
そういうわかりやすさとは対極のあり方を美徳とするような環境で育ったからですが(笑)。
なんていうかなー、「先生の言ってることがわけがわかんないから、自分で考える&調べる」
という風土の大学だったからなあ、うちは。
最近はわが母校もそういうあり方を否定する方向に向かっているようで、嘆かわしいことですが。
まあ結局、うちの母校も研究者を目指すような学生は減っちゃったんでしょうねー、きっと。

とはいえ、そんな「先生の言ってることがわけがわかんない」講義を
よその大学の概説的な講義でやるわけにはいかないのも当然なので、
リスナー・フレンドリーな方向を目指してやってる面はたしかにあります。
だから、その意味では正当に評価してもらえたのかもしれませんが、
何なのだろうこの居心地の悪さは(笑)。うーむ。

一因としては、「塾の先生」を引き合いに出されたからなんでしょうね。
実は二年前に別の大学でも同じ反応をされたことがありまして。
そのときにも書きましたけど、もうかれこれ13年前に、学部生時代の専門の演習発表で、
某先生から「○○くんは塾でアルバイトをしてるか?」って聞かれたんですよ。
一体全体何なんでしょうね?
カインの刻印みたいに「私は塾講師です」と周囲には分かるのでしょうか。

とまあそんなこんなで、今日もこれから塾の授業です。
天職なんかねえ、これはこれで…。