ギエム『最後のボレロ』(千秋楽)。

というわけで、火曜日は松江まで『最後のボレロ』の千秋楽を見に行ってきました。
いやー、良かった。もうとにかくすごかったです。
全てを言葉に出来るはずもありませんが、できるだけ感想を。

12月20日(火) シルヴィ・ギエム『最後のボレロ
ギリシャの踊り(振付:M・ベジャール/音楽:M・テオドラキス)
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玄禺圓燭舛陵戮
好僉Ε鼻Ε疋ァ直出領子・中島周
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 ソロ…大嶋正樹
 パ・ド・セット…高村順子・門西雅実・長谷川智佳子・西村真由美・佐伯知香・乾友子・吉川留衣
 フィナーレ…全員
この演目は、実は今年2月の東バのびわ湖公演で見たんですよね。
気に入ったのでもう一度見たかったのに、かぶってしまうからか、
『最後のボレロ』の大阪公演では外されていたのです(苦笑)。
また見ることが出来て本望。
照明が入った瞬間、鍛えられた背中がずらりと揃っているのがたまらない(笑) 
いろんな人がたくさんのことをするので全部は覚え切れていませんが、
今回特に印象に残ったのは中島さんと後藤さんでした(多分…人の判別にいまいち自信なし)。
お二人とも、集団の中でも動きでぱっと目がひかれますね。
中島さんは、びわ湖公演でもこの演目で見てすごく好きになったダンサーです。
これからも注目して見て行きたいと思います。
後藤さんは一人のパートはすごく良かったんですが、
そのあとの上野さんとのパートはなんだか息の合い具合がびみょーでハラハラ。
あ、あと、最後に片足を挙げて静止した状態でいったんライトが落ちて、また点いてカーテンコール、
なのですが、再点灯した瞬間、一番目立つ位置に立っている人が一瞬ぐらっとしかかってドキドキ。
まあ、ご愛嬌ですけどね。演目としては大満足。

○TWO(振付:R・マリファント/音楽:A・カウトン/照明デザイン:M・ハルス)
どのプログラムも2つ目の演目はギエムがメインのもので構成されていましたが(大阪・東京は+ムッル)、
Bプロの「PUSH」・Cプロの「小さな死」のどちらもすごく良かったので、
ある意味では一番期待していたと言っていいかもしれない作品でした。
「PUSH」も「小さな死」もムッルとの競演でしたが、今回はギエム単独ですし。
もうこれがめちゃくちゃ良かったです!!
こないだからこればっか言ってますけど、人間の体ってあんなに機能的になりえるもんなんですかね?
特に腕。人間の腕ってあんなふうにしなやかに曲がるもんなんでしょうか?摩訶不思議。
友人から「2メートル四方の空間で超高速太極拳を踊る感じ」と聞いていたのですが、ほんとにその通り。
この人のボレロがもう見られないのは残念ですけど、
これからはこういうコンテンポラリーの作品でプログラムを組んで来日公演をしてほしいです。

あと、今回の一連の公演を見て思ったのは、照明効果の偉大さですね。
照明の当っている部分とそうでない部分の境界を使った効果もある。
照明が当っているものと当っていないものを組み合わせた効果もある。
照明が当ることでできる影を使った効果もある。
光の当り方ひとつで、こうもものの見え方を変えることが出来るのか、と。
つくづく、コンテンポラリーって総合芸術なんですね~。

ドン・ジョヴァンニ(振付:M・ベジャール/音楽:F・ショパンモーツァルトの主題による))
 ヴァリエーション1…門西雅実・西村真由美・佐伯知香
 ヴァリエーション2…小出領子
 ヴァリエーション3…高村順子・井脇幸江
 ヴァリエーション4…長谷川智佳子
 ヴァリエーション5…大島由賀子
 ヴァリエーション6…上野水香
 シルフィード:吉川留衣
えーっと、この演目は好きですよ、特にイントロのナレーションが(笑)。
まあそれはさておき、この演目では妖精のいたずらで(違うのかな?)そうそうたるみなさまが
その場にいない(けどいる設定)ドン・ジョヴァンニに愛と情熱を捧げるため、順番に踊っていきます。
で、5番目までコミカルに踊りきって、6番目に「真打登場!」なのですが…。
なんだろう、今回は5番目までの人は、なんか「一生懸命」コミカルさを出している感じ。
で、最後の真打は単に普通に「振り」を「振り」として踊ってる感じ。
…これはやっぱりなんだかヘン(苦笑)。東バのみなさんてきっと真面目なのかなあなんて思ってみたり。
上野さんは…身体能力がすっごくたかーいことはよーっくわかりました(苦笑)。
それ以上はまあ公共の場では書かないでおこうかな、なんて思ってみたりして…。
個人的には、小出さんがとってもキュートで素敵だなあと再認識。

ナレーションの主が知りたくて、ネット上で検索をかけてみたんですが、
このナレーション、「いらねーよ!」って言ってる人が結構多いですね。
うーん、そう?好きなんだけどな~。
検索をかけても、声の主は結局わからず。
つか、この演目「どっかで見たなー、BSだっけ?」とか思ってたんですけど、
なんのこっちゃない、2月の東バのびわ湖公演で見てました。
検索かけるまでこれに気付かないオレって一体…。

ボレロ(振付:M・ベジャール/音楽:M・ラヴェル
今度こそ、これで見納め。
いや、もうね、ほんまいいもん見せてもらいましたよ。本望。
ギエムはもちろんすごかった。
でもこの日は、東バのみなさまの迫力が違いましたね。
群舞は最初いすに座っていて、中央で踊るギエムに魅入られていくように何人かずつ立ち上がり、
周囲を囲んでいくわけですが、どんどん人数が増えていっても、振りがピタッと揃ってるんですよ。
あんなに完璧に揃ってる群舞ははじめて見ました。
8人(だったっけ?)が客席に背中を向けて両手をガッツポーズのように上げて下ろす振りがありますが、
もうきちっと揃って上げ下げしてて、見ててぞくぞくしました。
あれがユニゾンの力なんでしょうね。完璧な統一感がもたらす説得力。
何もかもが完全燃焼!!のボレロでした。
日程きつかったけど(そして天候もハラハラしたけど)、見に行ってほんとに良かった~。
忘れられない公演になりました。

あ、すいません、出雲大社は行けませんでした…。
そばも食べ損なってしまいました(せっかくおススメしてくれたのに、ぴぱさんごめんなさい、、、)
そんなわけで、今回は基本的にバレエの感想だけです。