「ナルニア国物語 第一章 ライオンと魔女」感想。
というわけで、おとつい見てきたナルニアの感想です。
（以下、ネタばれありですのでご注意を。
原作知ってる人にはネタばれもへったくれもないわけですが、
一応原作と映画版との相違点なども書いております。）
映画版はかなり原作に忠実に作られてました。
相当気を遣ったな～という感じです。
ストーリー上最大の原作との相違点は、エドマンドの白い魔女に対する態度。
原作ではエドマンドは魔女のプリンを貪り食った段階で魔法にかかってしまうので、
良心の呵責などを感じず、アスランがどこにやってくるかなどをペラペラとしゃべってしまいます。
ところが映画版では、まず他の３人がビーバーのところにいることだけ伝え、
魔女が３人を取り逃がしたあとに、アスランが戻ってきたことを告げ、
（原作ではエドマンドが城に来た時点で石にされているはずのタムナスさんは、
映画ではこの段階で石にされる）
３人の追跡中に、３人を匿ったキツネ（原作にも出てくるけど、まったく別キャラ）を
魔女が拷問にかけて行き先を聞こうとしたときに、キツネをかばってアスランの居場所を明かします。
正直意図のよくわからない改変だったのですが、エドマンドの行動に情状酌量の余地を与えることで、
観客〈特に低年齢層）が感情移入しやすいようにしたんですかねえ？
だいたい、魔女がエドマンドに与えたお菓子にプリンがないだけでも、
原作ファンには「えーっ！」なのですが（笑）。
（あ、でもひょっとしたら、これって原書では「ターキッシュ・デライト」になっていて、
翻訳の時にわかりやすくするために「プリン」にしたってことか！）
他の変更点としては、
・４人そろってナルニアに行く時に、原作では屋敷の見物客から逃げるためにたんすに逃げ込むけれど、
映画版ではクリケットをしていてボールで窓を割ってしまい、家政婦さんから逃げるために逃げ込む。
（それは何の事態の解決にもならないだろう 苦笑
でもまあ、原作でも、戦争中なのにのんきに屋敷の見物に来る客がいるというのも変な話なのですが。）
・サンタクロースがエドマンド以外の３人にしかプレゼントをあげない。
（プレゼントをもらえなかったビーバー夫婦がかわいそう 笑
そもそもサンタクロースが、まったくそれと認識できないような格好で登場します。
あれはどうしてあんな服装になったんだろう？？）
・同じく、サンタクロースに御馳走をもらったリス・キツネ等のパーティーに魔女が出くわし、
魔女がかんしゃくを起こしてそれらを石に変える場面が完全カット。
（書いてて気がつきましたが、原作ではここでエドマンドは魔女の必殺技に気がつくわけなので、
その代替としてタムナスさんを石に変えるシーンが必要なわけですね）
・原作では割と余裕でアスランの下に３人＋ビーバー夫婦はたどり着くのに、
映画では狼の群れに追いつかれて危機一髪。
・原作では実際の戦闘シーンはほとんどないけれど、映画では後半最大の山場。
（まあ、映画的にはこうでもしないと盛り上がりませんから。）
と、こんな感じでした。
あと、面白かったのは魔女とアスランの関係の解釈ですね。
アスランが石舞台の魔女の下に出向いた時、
魔女はアスランに「お前にはがっかりさせられた」と言い放ち、
戦闘シーンの最後、アスランにかみ殺される時、
魔女はなんだか至福の表情とも取れそうな、なんとも言えない顔をします。
これって要するに、「魔女はアスランに恋焦がれててた」ってことなんですかね？
それも、いささか（かなり？）倒錯した形で。
そう考えると、石舞台での魔女のアスランへの仕打ち（丸刈りetc.）も、
なんとなくそれっぽく見えてきますが。どうなんだろうなあ～。
とりあえず、映画版の魔女は、案外貧相なそりに乗っていて、
ナルニアを冬に閉じ込めてる割には寒がりらしく、玉座に毛皮を敷いていて、
まるで「キル・ビル」の見過ぎじゃないか？と思うくらい二刀流をブンブン振り回してました（笑）。
とまあそんなわけで、私（＝原作ファン）としてはかなり楽しめたのですが、
さて、原作を読んでない人が映画として楽しめたかというと、どうかな～。
映画館の雰囲気を見る限りでは、かなり厳しそう。
まあなんだ、「指輪物語」とか「ハリー・ポッター」とかと比べちゃだめですよね。
「指輪」は作者の設定好きを反映したサイドストーリーてんこ盛りの世界ですし、
「ハリー・ポッター」は現在との共時性という武器を持っているわけで。
「ナルニア」は、ストーリーのわかりやすさによるインパクトを狙ってるわけですから、
そのつもりで見てあげないと。
「ナルニア」の楽しみ方はいろいろだと思いますが、
原作読まずにいきなり映画だとちょっときついかなあと思います。
一緒に見に行った未読の後輩は楽しめたようで、誘った側としては一安心だったのですが。
ストーリーの楽しみ方を知ってるかどうかという要素も大きいんでしょうね。
原作・映画両方見た方、原作だけの方、映画だけの方のそれぞれの感想を聞いてみたいものですが。
（以下、ネタばれありですのでご注意を。
原作知ってる人にはネタばれもへったくれもないわけですが、
一応原作と映画版との相違点なども書いております。）
映画版はかなり原作に忠実に作られてました。
相当気を遣ったな～という感じです。
ストーリー上最大の原作との相違点は、エドマンドの白い魔女に対する態度。
原作ではエドマンドは魔女のプリンを貪り食った段階で魔法にかかってしまうので、
良心の呵責などを感じず、アスランがどこにやってくるかなどをペラペラとしゃべってしまいます。
ところが映画版では、まず他の３人がビーバーのところにいることだけ伝え、
魔女が３人を取り逃がしたあとに、アスランが戻ってきたことを告げ、
（原作ではエドマンドが城に来た時点で石にされているはずのタムナスさんは、
映画ではこの段階で石にされる）
３人の追跡中に、３人を匿ったキツネ（原作にも出てくるけど、まったく別キャラ）を
魔女が拷問にかけて行き先を聞こうとしたときに、キツネをかばってアスランの居場所を明かします。
正直意図のよくわからない改変だったのですが、エドマンドの行動に情状酌量の余地を与えることで、
観客〈特に低年齢層）が感情移入しやすいようにしたんですかねえ？
だいたい、魔女がエドマンドに与えたお菓子にプリンがないだけでも、
原作ファンには「えーっ！」なのですが（笑）。
（あ、でもひょっとしたら、これって原書では「ターキッシュ・デライト」になっていて、
翻訳の時にわかりやすくするために「プリン」にしたってことか！）
他の変更点としては、
・４人そろってナルニアに行く時に、原作では屋敷の見物客から逃げるためにたんすに逃げ込むけれど、
映画版ではクリケットをしていてボールで窓を割ってしまい、家政婦さんから逃げるために逃げ込む。
（それは何の事態の解決にもならないだろう 苦笑
でもまあ、原作でも、戦争中なのにのんきに屋敷の見物に来る客がいるというのも変な話なのですが。）
・サンタクロースがエドマンド以外の３人にしかプレゼントをあげない。
（プレゼントをもらえなかったビーバー夫婦がかわいそう 笑
そもそもサンタクロースが、まったくそれと認識できないような格好で登場します。
あれはどうしてあんな服装になったんだろう？？）
・同じく、サンタクロースに御馳走をもらったリス・キツネ等のパーティーに魔女が出くわし、
魔女がかんしゃくを起こしてそれらを石に変える場面が完全カット。
（書いてて気がつきましたが、原作ではここでエドマンドは魔女の必殺技に気がつくわけなので、
その代替としてタムナスさんを石に変えるシーンが必要なわけですね）
・原作では割と余裕でアスランの下に３人＋ビーバー夫婦はたどり着くのに、
映画では狼の群れに追いつかれて危機一髪。
・原作では実際の戦闘シーンはほとんどないけれど、映画では後半最大の山場。
（まあ、映画的にはこうでもしないと盛り上がりませんから。）
と、こんな感じでした。
あと、面白かったのは魔女とアスランの関係の解釈ですね。
アスランが石舞台の魔女の下に出向いた時、
魔女はアスランに「お前にはがっかりさせられた」と言い放ち、
戦闘シーンの最後、アスランにかみ殺される時、
魔女はなんだか至福の表情とも取れそうな、なんとも言えない顔をします。
これって要するに、「魔女はアスランに恋焦がれててた」ってことなんですかね？
それも、いささか（かなり？）倒錯した形で。
そう考えると、石舞台での魔女のアスランへの仕打ち（丸刈りetc.）も、
なんとなくそれっぽく見えてきますが。どうなんだろうなあ～。
とりあえず、映画版の魔女は、案外貧相なそりに乗っていて、
ナルニアを冬に閉じ込めてる割には寒がりらしく、玉座に毛皮を敷いていて、
まるで「キル・ビル」の見過ぎじゃないか？と思うくらい二刀流をブンブン振り回してました（笑）。
とまあそんなわけで、私（＝原作ファン）としてはかなり楽しめたのですが、
さて、原作を読んでない人が映画として楽しめたかというと、どうかな～。
映画館の雰囲気を見る限りでは、かなり厳しそう。
まあなんだ、「指輪物語」とか「ハリー・ポッター」とかと比べちゃだめですよね。
「指輪」は作者の設定好きを反映したサイドストーリーてんこ盛りの世界ですし、
「ハリー・ポッター」は現在との共時性という武器を持っているわけで。
「ナルニア」は、ストーリーのわかりやすさによるインパクトを狙ってるわけですから、
そのつもりで見てあげないと。
「ナルニア」の楽しみ方はいろいろだと思いますが、
原作読まずにいきなり映画だとちょっときついかなあと思います。
一緒に見に行った未読の後輩は楽しめたようで、誘った側としては一安心だったのですが。
ストーリーの楽しみ方を知ってるかどうかという要素も大きいんでしょうね。
原作・映画両方見た方、原作だけの方、映画だけの方のそれぞれの感想を聞いてみたいものですが。
